ウッドショックの影響が止まらない……原価管理の徹底でコスト高を乗り切る!

新型コロナウイルス感染症の拡大は、世界中で大規模な不況を生み出しました。しかしコロナ禍に突入して時間が経ち、いまだ先行き不透明な業界もあれば、回復した業界もあります。中でも今回は新築戸建て住宅売買業に注目し、ウッドショックの影響について解説します。

ウッドショックの影響で落ち込む新築戸建て住宅販売

コロナ禍ではリモートワークが広がり、オフィスに出勤せず自宅で仕事をする人が増えました。これにより、これまで休日と平日の夜しか家で過ごしていなかった方も多くの時間を家の中で過ごすことになり、「良い家に住みたい」という需要が高まっています。

そこで特にアメリカで盛り上がったのが、新築戸建て住宅売買業です。広々とした戸建てを、中古ではなく新築で購入する人が増えています。アメリカでは次々と新築の戸建てが建てられており、その影響で建築用木材の需要が急増、価格高騰が起きました。そもそも虫害や山火事などにより不足状態だったこともあり、非常に厳しい事態になっています。この状況はウッドショックと呼ばれ、日本にも多大な影響を与えています。

国内での丸太価格は2020年7月を境に上昇。日本でもコロナにより落ち込んだ新築戸建て住宅販売が回復していたものの、このウッドショックにより再度厳しい状況を突き付けられています。

企業物価指数を見ると、2020年6月の木材・木製品・林産物輸入物価指数は円ベース92.8だったところから、7月に103.1、12月に103.4と上がり続けています。(参考:企業物価指数(2020年6月)企業物価指数(2020年7月)企業物価指数(2020年12月)

また、全国建設労働組合総連合が32都道府県273社を対象に2021年8月6日~8月30日に行った「ウッドショックによる工務店影響調査(第2回)」によると、同年5月と比較して、木材の調達状況はどうかという質問に対し、51%が「悪化」と回答。木材価格の状況に関しては、56%が「大きく値上がり」、37%が「若干値上がり」と答え、依然として厳しい状況が継続していることがうかがえます。

これに伴い、木材価格の高騰によるコストアップの負担を「一部を自社で負担」したのが全体の48%と半分近くを占め、経営的にも大きなダメージを受けていることがわかりました。(参考:「ウッドショックによる工務店影響調査(第2回)」)

こういった事情を背景に、新築戸建て住宅売買業は下降傾向になっています。新築戸建て成約件数は2020年4月に緊急事態宣言が出され落ち込んだ後、5月から8月につけて急上昇。その後、9月から翌年にかけて右肩下がりの状態です。これは木材の価格が高騰して新築戸建ての販売価格が上がったことも大きく関係していると考えられます。

ウッドショックの影響を原価管理の徹底でカバー

ウッドショックによって高騰した木材価格ですが、今後もいつ回復するかはまだわかりません。つまり、これまでと同じようなことを続けていては経営が圧迫され続けることになります。

芳しくない経営状況を立て直すには、商品価格を値上げして売り上げを伸ばすか、コストカットを進めて利益率を上げることが常套手段です。とはいえ値上げは簡単に顧客離れにつながるため、簡単には決断できません。

だからこそ、今一度しっかりと原価管理を徹底して無駄なコストを削減することが極めて重要です。原価管理を行うことで原価変動のリスクヘッジを実現し、損失を小さくすることができます。また、利益を正しく認識することで利益アップにもつながります。

長期的な視点で経営ビジョンを考えるためにも、原価管理は必要です。何にどれだけコストがかかるのかが見えなくては、目の前のことしか考えられず、5年後、10年後の将来が見えなくなってしまいます。

今回は木材の価格に焦点を当てましたが、原価には材料費、労務費、製造経費などの種類があります。建築用木材などの材料費だけでなく、従業員の給与や賞与、設備費用など様々なコストがかかります。これらを徹底して管理することで、材料の高騰という危機もしのぐことができるでしょう。

e2-movEで原価を効率的に一元管理

原価管理を改善する方法はいくつかありますが、もっとも効果的なのは基幹システムによる管理です。原価管理を実現するのと同時に、業務の効率化やデータの一元化といったメリットも生まれます。

しかし、建設・工事・建材販売業界などは原価の種類が他の業界に比べて特殊なため、一般的な基幹システムを入れてもうまく機能しない可能性があります。だからこそ、ぜひe2-movEをご利用ください。建設業界などですでに400社以上の導入実績があり、そこからフィードバックを得て、業界に特化した機能を次々と搭載しています。

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・工事原価入力(工事単位・仕入先単位)
・共通原価配賦入力
・立替入力
・払見込入力
・工事原価入力確認表
・共通原価配賦入力
・立替入力確認表未
・未払見込入力確認表

さらに、業界知識のある弊社スタッフが、導入から運用まで手厚くサポートします。まず専門SEがコンサルティングさせていただき、必要な機能をヒアリング。運用後のメンテナンスまで責任を持って伴走。お客様ごとのカスタマイズにも対応しているので「この部分は別のシステムを使いたい」「こういう機能が必要」といったご要望も対応します。お困りごとがある方や、ウッドショックの影響に悩まれている方は、何でもご相談ください。

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