【今更聞けない?】建設業の3つの基準を総おさらい!工事完成基準、工事進行基準、収益認識基準とは?

建設業には他の業界にはない独特のルールがいくつかあります。中でもわかりにくいのが、工事の「基準」について。そこで今回は、今更聞けない工事完成基準、工事進行基準、収益認識基準の3つについておさらいしていきます!

工事完成基準とは

基本的にどんな工事でも一日以上かかることが多く、長ければ十数年にわたり続く案件もあります。例えば団地を作ったり、トンネルを掘ったりといった大規模なものでは、年単位の期間がかかることが容易に想像できるでしょう。

そんな建設業において、売上や費用を計上するタイミングは「工事の完成・引き渡し」のタイミングで売上や費用を認識するやり方を、工事完成基準と言います。名前の通り、「工事」が「完成」した時を基準として考えるとわかりやすいでしょう。

工事完成基準のメリットは、契約に準備の時間がさほどかからないこと。そもそも短期間で終わる工事に適用されることが多いため、話がまとまってから契約・工事開始までをスムーズに進められます。

その一方、案件の詳細があいまいなまま始まってしまうこともあるというデメリットがあります。それが原因で途中の修正が増え、施工側の負担が大きくなりまた費用がかさんでしまいがち。いざ計上してみたら、赤字になっていたというパターンもあります。

工事進行基準とは

長期的にかかる案件において、「工事」の「進行状況」に合わせて複数回計上していくのが工事進行基準です。この考え方のもとでは、まず工事全体でどのくらいの原価がかかるかを想定し、その数字を、当期ごとにそれまでに派生した原価に割るという作業を行います。これで算出されるのが、工事の進捗率です。

進捗率がわかったら、工事全体の請負金額に進捗率をかけ、そこから前期までに計上した金額を引いて、当期の計上収益を算出します。また、工事全体の原価に進捗率をかけ、前期までに計上した原価を引けば、当期の費用がわかります。

これは工事完成基準に比べて、クライアント側の修正が減るというメリットがあります。そのため急に作業が増えたり、負担が大きくなったりすることも減るでしょう。

しかしその一方、契約に時間がかかるというデメリットがあります。工事を始める前に全体の請負金額と原価について合意がとれなければ、そもそも案件自体がなくなってしまう可能性もあるでしょう。

収益認識基準とは

2021年4月以降、日本では原則として収益認識基準が適用されることが決まりました。これはIFRS15号の原則を取り入れたもので、5つのステップから成っています。ステップ1が「 顧客との契約を識別する本会計基準の定めは、顧客と合意し、かつ、所定の要件を満たす契約に適用すること」いうステップです。

ステップ2は「契約における履行義務を識別する」で、契約において顧客への移転を約束した財又はサービスが、所定の要件を満たす場合には別個のものであるとして、当該約束を履行義務として区分して識別するとされています。

ステップ3が「取引価格を算定する」で、変動対価又は現金以外の対価の存在を考慮し、金利相当分の影響及び顧客に支払われる対価について調整を行い、取引価格を算定するとなっています。

ステップ4は「契約における履行義務に取引価格を配分する」で、契約において約束した別個の財又はサービスの独立販売価格の比率に基づき、それぞれの履行義務に取引価格を配分する。独立販売価格を直接観察できない場合には、独立販売価格を見積るというものです。

ステップ5は「履行義務を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する」で、約束した財又はサービスを顧客に移転することにより履行義務を充足した時にまたは充足するにつれて、充足した履行義務に配分された額で収益を認識する。履行義務は、所定の要件を満たす場合には一定の期間にわたり充足され、所定の要件を満たさない場合には一時点で充足されると定められています。(引用:収益認識に関する会計基準(企業会計基準委員会)
それぞれの詳細については、こちらをごらんください。

3つの基準をしっかりおさえる

建設業界で仕事をするうえで、この3つは必ずおさえておくべき基本事項です。慣れないうちは難しいと感じるかもしれませんが、よりスムーズにトラブルなく仕事を進めるために、改めて理解を深めておきましょう。

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