経営事項審査とは?審査の流れや必要な資料などを解説!
建設業に従事する方なら一度は耳にしたことがある、経営事項審査。業界の基本知識ではありますが、新しく建設企業に入社した方や別の業種から転職してきた方は、まだよく理解できない部分もあるかもしれません。そこで今回は経営事項審査について、どのような流れで行われるのか、どういった資料が必要かなどを解説していきます。
経営事項審査とは
経営事項審査とは、国や自治体が発注する公共工事の入札に参加する建設業者に対する審査です。経審と略されることもあり、公共工事を請け負うためには必ず受けなければなりません。
資格審査は客観的事項と発注者別評価に分かれており、2つの合計点によって格付けされます。審査を実施するのは、許可行政庁です。
対象となるのは、建設業の許可を受けており、公共工事の入札に参加する事業者です。審査を受けるには、まず決算報告書を作成し、決算終了から4ヶ月以内に「事業年度終了報告書(決算変更届)」を提出します。この報告書は、建設業許可を取得した業者は、毎年必ず提出しなくてはなりません。
次に、経営状況分析機関に財務諸表を申請します。初めて提出する際は、3期分必要となるので注意しましょう。尚、経営状況分析機関に登録されているのは下記の機関です(2022年1月時点)。
一般財団法人建設業情報管理センター
(株)マネージメント・データ・リサーチ
ワイズ公共データシステム(株)
(株)九州経営情報分析センター
(株)北海道経営情報センター
(株)ネットコア
(株)経営状況分析センター
経営状況分析センター西日本(株)
(株)日本建設業経営分析センター
(株)建設システム (株)建設業経営情報分析センター
※国土交通省「登録経営状況分析機関一覧」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000091.html
申請が受理されると、経営状況分析結果通知書が届きます。受け取ったらこの書類と「経営規模等評価申請」を、役所に提出してください。1ヶ月前後で、審査結果が届きます。以上で経営事項審査は完了です。
経営事項審査に必要な資料
経営事項審査には、いくつかの資料が必要です。まず経営状況分析を準備しましょう。これは4種類8つの指標で成り立っており、計算式は以下の通りです。
1.負債抵抗力
①純支払利息比率(X1):(支払利息-受取利息配当金)÷売上高×100
②負債回転期間(X2):負債合計÷売上高÷12
①は建設企業の有利子負債の状況を支払利息の観点からみた比率で、小さいほど評価が高いです。②は会社にとって返済等の必要がある経済的負担等が、月商(1ヶ月当たりの平均売上高)に対しどれだけあるかを示す比率で、小さいほど良いとされています。
2.収益性・効率性
③総資本売上総利益率(X3):売上総利益÷負債純資産合計(2期平均)×100
④売上高経常利益率(X4):経常利益÷売上高×100
③は総資本(負債純資産合計)に対する売上総利益の割合です。投資効率を企業の最も基本的な利益である売上総利益からみた指標となり、高いほど優れています。④は売上高に対する企業の経常的な活動からの利益(経常利益)の比率です。財務活動なども含めた通常の企業活動における利益率であり、高いほどよいとされます。
3.財務健全性
⑤自己資本対固定資産比率(X5):純資産合計÷固定資産合計×100
⑥自己資本比率(X6):純資産合計÷負債純資産合計×100
⑤は固定資産比率の逆数をとった比率で、設備投資など固定資産がどの程度自己資本(純資産)で調達されているかを表し、高いほど良い評価です。⑥は総資本(負債純資産合計)に対し、自己資本(純資産)の占める割合をみる数値で、資本蓄積の度合いを示す比率となっており、高いほど良いとされます。
4.絶対的力量
⑦営業キャッシュフロー(X7):営業キャッシュフロー(2期平均)÷100,000,000円
⑧利益剰余金(X8):利益剰余金÷100,000,000円
⑦は 営業活動で得られた資金がどれだけ増加したかを示し、高いほど望ましいです。⑧は会社設立以来の損益の蓄積の度合いをみる指標で、高いほど良いです。
上記をもとに、経営状況点数(A)と経営状況評点(Y)を計算します。
A=-0.4650×(X1)-0.0508×(X2)+0.0264×(X3)+0.0277×(X4)+0.0011×(X5)+0.0089×(X6)+0.0818×(X7)+0.0172×(X8)+0.1906
Y=167.3×A+583
※引用元:managerial finance analysis center「経営状況分析の8指標」
https://mfac.co.jp/wp/wp-content/themes/mfac/images/pdf/bunseki_score.pdf
次に、工事台帳の準備が必要です。これは各工事の明細が記載されたもので、下記4つの費用項目を記載しなくてはなりません。
1.材料費
工事に使用する材料や製品の費用。仕入れにかかった費用となり、前期末までの在庫でかかった分は含まれません。
2.労務費
作業員への給料、賃金、手当です。雇用体系が正社員かアルバイトかといったことは関係なく、すべての人材への支払いを含みます。しかし、現場代理人や現場事務所事務員への給料は該当しません。経営者や役員が現場で働いた場合、その分の費用を労務費に振り分けます。
3.外注費
他者に外注した施工にかかった費用です。材料を自社でまかなった場合や、人員が足りない時に応援を依頼した場合は、ここに含まれないので注意しましょう。
4.経費
材料費・労務費・外注費以外の費用です。減価償却費、棚卸減耗費、賃借料、水道光熱費、現場代理人や現場事務所事務員への給料、警備費用、保険料、重機使用料などが含まれます。
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工事台帳の作成もでき、工事の予算や原価などを適切な形で簡単に管理します。これまで細かく台帳をつけていなかった企業やExcelなどアナログな方法でつけていた企業の方には、非常におすすめです。
経審連携オプションもあり、審査に必要な工事経歴書用データをすぐに出力できます。出力した連携データは、ワイズ公共データシステム株式会社の経審申請用ソフトである「かんたん書類マネージャ」に取り込み、電子申請用書類を作成できます。
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