工事台帳とは?内容や目的、Excel・システムでの管理方法について解説
建設業界で重要な工事台帳。これは一体どんなものなのか、何を目的として管理するのかを解説します。また、デジタルで工事台帳をつけるやり方はExcelとシステムの大きく2つにわかれますが、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
工事台帳とは
工事台帳とは、建設会社において各工事の原価を集計する台帳のことです。一つの工事に対してどんな原価がどれだけかかっているか、進捗はどうなっているかなど、様々な情報を管理します。工事台帳をつける目的は各工事の収支や利益率を把握し、経営に役立てることです。また、公共工事の入札に参加するために必要な、経営事項審査で必要となります。
工事台帳に記入する費用は、主に4つあります。
1つ目は、材料費です。木材やコンクリートといった材料や、ガスや水道の部品、それらを仕入れるための取引にかかった費用を指します。また、すでにあった在庫を使用した分は材料費に含まれません。
2つ目は、労務費です。現場作業員への給与や賞与などが当てはまり、正社員やアルバイトなどの雇用形態を問いません。また、社長が自ら現場で稼働した場合、その分の支払いは労務費として計上しなくてはなりません。現場の事務所にいる事務員の方への支払いは、労務費に含まれないので注意しましょう。
3つ目は、外注費です。自社の人員が足りない時や、それだけでは賄えない大規模な工事の時、他社に工事を外注した分の費用が外注費となります。ただし、材料や機材を自社で用意する場合は労務外注費にあたるので気をつけてください。
4つ目は、経費です。材料費、労務費、外注費に含まれないすべての費用は経費として扱います。重機を使うための光熱費、作業員ではなく現場の事務員への給与、警備や保険にかかる支出などがこれにあたります。
Excelで管理する工事台帳
工事台帳をデジタル管理する方法はいくつかあります。建設企業でよく行われているのが、Excelでの管理です。ほとんどのPCにはExcelが搭載されているため追加費用無く利用でき、自社にあった形で一から様式をカスタマイズすることができます。
一方で、属人化しやすい点が大きなデメリットです。担当者はどう見ればいいか、どう入力すればいいかわかっているものの、他の人が見ても意味がわからない状態になり、会社の重要な情報を一部の人間しか理解できない状況になりかねません。万が一、担当者が急な休職や退職をした場合、誰もフォローできなくなることもあるでしょう。
また、管理ミスが起こりやすい点も注意が必要です。複数のファイルを管理する中で誤りが生まれたり、関数を間違えてデータが実際と異なってしまったりする可能性があります。Excelは非常にアナログで効率性が低いため、多くの企業では工事管理システムを導入しています。
システムで管理する工事台帳
工事管理システムで工事台帳をつけるメリットは、誰でも簡単に管理できることです。Excelでは「どのセルに入力すればいいかわからない」となる可能性がありますが、システムは各社がUIなどに注力し、直感的に操作できるように工夫が凝らされています。
スマートフォンやタブレットで利用できるものであれば、現場にいながら入力することも可能です。どこからでも操作できるため、工事台帳をつけるために一度事務所に戻るといった無駄が削減できます。
システムを導入することで経理担当者の負担が軽減し、より素早く、より正確な管理も実現可能です。経営者も経営情報をリアルタイムで把握しやすくなります。
デメリットとしては、導入や運用に費用がかかること、製品が多くどれを選べばいいか判断が難しいことなどが挙げられます。
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