導入事例

サーバ8台で200台のiMac を一元管理 他高専では類を見ない先進的取り組み

石川工業高等専門学校様

1965 年の開校以来、機械や建築などの分野へ高い専門性を持つ人材を送り出している 石川工業高等専門学校(石川高専)様。演習や実験などでコンピュータを使う場面が多い同校では先ごろ、 Mac によるシンクライアントシステムが導入されました。全国の高専でも珍しいMac での同システム構築。 導入に至った経緯について、電気工学科の山田悟准教授にお話を伺いました。

隣県 富山高専への視察研修が 当社とのお取り引きのきっかけに

 石川高専様にて今回のプロジェクトがスタートしたのは2009 年12 月。 当時運用中だったWindows XP ベースの学内システムが更新の時期を迎え、 これまでの資産を活かすべくWindows をベースにしたシンクライアントシステム(Thin Client System 以下TCS) の検討がなされました。多数のクライアントのOS やアプリケーションをサーバで一元管理できるTCS には、 ▽クライアント環境を標準化できる▽再起動後にクライアントが元の環境に復元される ▽クライアントの利用を止めずにマスタ(ひな形)を更新可能..といった利点があるためです。
 そこで山田氏ら担当チームは、同様のシステムを採用していた富山高専射水キャンパスに視察に出掛けることに。 実は、同キャンパスのTCS 構築を担当していたのが当社の富山営業所。 石川高専様と当社とのお取り引きは、この視察をきっかけに始まったのです。

ご担当者様写真

石川工業高等専門学校
電気工学科 准教授
山田 悟 氏

担当者様のコメント

MacOSとWindowsの両方を使える、Macの『Boot Camp』を利用しています。 授業に使うハードウェア制御ソフトがWindows版なので、 授業に支障をきたさないか三谷商事さんと検証したのが導入前の思い出です。 今後は、プログラミングなどOS に依存しない授業などでUNIX ベースのMac OS X を活用したいですね。

「ライセンス費用軽減」の知らせで Mac によるTCS 構築を本格検討

その後、石川高専様が具体的にTCS 導入についての検討を進めていく過程で、当社金沢営業所では、 教育分野に特化したApple 認定販売店としての強みや(数年前より『Apple Solution Expert』、 2010年春より『AppleEducation VAR』)、これまで手掛けた事例をもとに、 折にふれMac によるTCS を提案していきました。 「Mac の導入は学内で何度か話があがっていたこともあり、 ご提案には興味がありました。そうしたらちょうど、高専機構(独立行政法人 国立高等専門学校機構) とマイクロソフトが包括的なライセンス契約を結んだニュースが飛び込んできまして。 調べてみると、石川高専としてライセンス費用負担が軽減されることが分かったのです」。
 両者の包括契約により、俄然現実味を帯びてきたMacベースのTCS 構築。 その「MacOS とWindowsの両方が使える環境」を提案した当社の仕様が採用されました。 決め手は何だったのでしょうか。「クライアントマシンのスペックはWindows もMacも遜色ない。 むしろ、Mac の方がコストパフォーマンスに優れる面もあります。 それにMac ベースだと、別にソフトを調達しなくても、基本サーバOSに内包される機能だけでTCSを構築できる。 さらに、高専機構とマイクロソフトとの包括契約でコスト面のメリットが生かせられる..ここまで条件が揃えば大丈夫だろうと。 三谷商事さんとは初めてのお取り引きでしたが、近隣の高専での納入実績があったので、 安心してプロジェクトを進めていけました」。山田氏は、こう評価してくださいました。

▲約50 台のiMac が配置された演習室。利用者は、Windows とMac OS の2つのOS を使用することができる。

TCSの利点と『Boot Camp』の実用性 Mac OS X を存分に活用した構築事例

今回のソリューションでは、石川高専様に200 台のiMac(MacOS X 10.6)と 8台のXserve(MacOS X10.6 Server)を納入しました。学内4つの実習室・演習室に配置されたiMacは、 教員・学生が電源を投入すると同時に、MAC アドレスをもとに割り振られたネットブートサーバ(Xserve)へ接続。 OS やアプリケーションが入った「ネットブートイメージ」をサーバからダウンロードして利用可能な状態となります。

授業では、そうしたTCS ならではの利点や『BootCamp』の機能を教員・学生が存分に活用しています。 2つのOS を1台でまかなえる利点から、学内でも徐々にMac ユーザーが増えているとのこと。 「Mac で構築するメリットは大きいと分かってはいましたが、頭で理解しているのと実際に導入するのとはやはり話が別。 自分でもよくこんな勇気があったなあ、と思いますよ」と山田氏は目を細めます。
 各地の高専からの反響も大きいという、Mac によるTCS の構築ソリューション。 長年にわたりモノづくりの分野をリードする人材を送り出している、 石川高専様ならではの「先進性」を象徴する取り組みといえるでしょう。

石川工業高等専門学校

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担当者よりひとこと

ご提案のチャンスを賜り、誠にありがとうございました。また、 Windows ベースからMac ベースのシステムへと、 貴校の教育イノベーションのお手伝いをさせて頂き、 光栄に存じます。教育現場でのIT 活用に関し、これからもチャレンジしていかれるお客様と一緒に努力して参ります。

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  • 情報ソリューション事業部 
    金沢営業所 所長
    坂本 賢一

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