株式会社ふじや食品様

設立以来、独創的な商品開発力で全国屈指のチルド食品メーカーとしての地位を築いてきた株式会社ふじや食品様（本社：福井県越前市）。今回はこれまでにないシンプルな仮想化基盤を実現する「HPE SimpliVity*1」をご導入いただきました。

＊1：【SimpliVity】世界最高レベルの効率と耐障害性備えたHPE社HCI製品。サーバーやストレージに加え、バックアップ機能やWAN最適化装置等、仮想サーバー稼働に必要な機器を完全に統合。

管理者側も把握できないほど複雑な配線に悩まされていた

　玉子どうふや茶わんむしなど日配商品の製造を行い、全国のスーパーに納品している株式会社ふじや食品様。愛される食品の創造により、食のもつ素晴らしさを提案し続けています。日々安定して商品を提供するためには、システムの安定稼働がとても大切になってきます。社内システムの開発・管理・維持を担当する藤田氏は、日頃からシステムのダウンタイムを短くすること、またダウンタイムを管理できる環境作りを心がけて業務にあたっています。今回は、受発注や出荷管理を行う基幹システム用仮想化基盤の置き換えにおいてHCI製品「HPE SimpliVity」を導入いただきました。

情報システム室
係長
藤田裕晃氏

担当者様のコメント

必要な情報が一部欠落しているなど問題もあった中で、三谷商事さんの高い技術力と、きめ細やかなサポートのおかげで乗り越えることができました。今後もご協力よろしくお願いします。

導入のきっかけ

　導入のきっかけは、2015年に導入した仮想化基盤である3Tier構成*2の複雑すぎる配線に悩まされていたことです。導入時に十分な検証時間が取れないまま社内リリースとなってしまったため、導入当初から多くのトラブルが発生していました。また、管理者側も構成を正しく認識できないほどの複雑な配線となっていたため、2019年2月に、基幹システム用仮想化基盤置き換えのための社内プロジェクトを発足しました。

＊2：【3Tier構成】仮想化基盤を構成するハードウェアである「CPUとメモリを提供するサーバー」「サーバーとストレージを接続するスイッチ」「仮想マシンを含むデータを格納するストレージ」による3層構成を指す。

三谷商事を選んだ理由

　当初はこの置き換え作業を、システム構築時から付き合いのあるベンダーに依頼予定だったとのこと。しかし、ベンダー側の組織改編による担当者変更で、ふじや食品様の意図を伝えるのが難しい状況になってしまいました。実際の提案も、ふじや食品様が期待していたものとはかけ離れていたため、ベンダーの変更を決断し、同社のサーバー構築や保守を行っていた三谷商事に本件を依頼。三谷商事を選んだ理由として、藤田氏は次のように語っています。「それまでのきめ細やかな保守管理が、最初に声かけさせていただいた理由です。他にも飛び込みで営業にきた企業さんの製品も検討しましたが、保守面のことなども考えて三谷商事さんに決めました。ベンダー変更には大きなリスクが伴いますが、これまで三谷商事さんに不安を取り除く問題解決をしていただけていたので、安心してお任せできると判断しました。一番の課題であった配線の複雑さの解消はもちろんですが、日配商品を取り扱う会社として僅かでもシステムを止めるわけにはいきません。導入後も安定して稼働すること、また障害に対してどれだけ強いかという点を第一に考えていました。そのため、移行後も従来のシステムや管理ソフトをそのまま使用できる提案であったのは大きなポイントとなりました。あとは予算内でオールフラッシュ構成に手が届いた点、バックアップ性能の高い製品であった点も大きく期待できる点でした。」

停止時間を最小にして新サーバーへの移行が完了

導入決定後、2021年8月に設置が完了しました。ベンダー変更により1年後ろ倒しでの着地となりましたが、その分十分な準備を重ねて設置当日を迎えることができました。複雑な配線から数本のケーブルになったことで、予想を大幅に超えて作業を短縮することができ、設置当日から現在まで大きなトラブルなく安定して稼働することができています。今回の導入で得られたメリットについて藤田氏は、
「今回はハードウェアのみの置き換えで、システムと管理ソフトは既存のものを継続して使用するという選択をしています。導入のタイミングでシステムを全く止めずに新サーバーに移行できたことは、大きなメリットでした。システム移行後も、今まで使いやすかったものを継続して使いやすいまま使用できている点はとても助かっています。またストレージの速度が大幅に速い構成となったことで、3時間かけていた処理が30分程度で完了するようになりました。データの提供が早まることで、現場でも無駄な時間がなくなり、社員の残業時間削減に繋がっています。」と語りました。

導入して、実際に感じる『HPE SimpliVity』の強み

また今回他社製品と検討した上で、『HPE SimpliVity』導入を決めたふじや食品様。藤田氏は製品の強みを次のように語ってくれました。
「今回の導入に関して予算面での相談という部分もあったのですが、『HPE SimpliVity』は拡張に関してとても柔軟性のある製品なので、最初は小さい構成からシステムを組むことができます。そのため導入当初も無駄な投資はせず、最適なコストでの運用が可能になります。将来的に負荷の重いシステムを載せることになった場合など、必要な時に必要な分のサーバーを購入して簡単に拡張することができるので、会社の展開にあわせて柔軟に使用することができる点も大きな強みだと思います。バックアップ体制なども既存の仕組みとして持っている製品になるので、障害には非常に強いつくりとなっています。また片方がダメになっても片方が動き続けるといった、システムが継続して稼働できる能力にも優れているので、安定稼働を実現してくれる製品だと思います。」

今後もより強固な止まらない仕組みづくりを目指して
　
　今回は基幹システム用仮想化基盤に導入されましたが、今後の展望について藤田氏は、
「今回導入したサーバー以外にもサーバーがあります。それらも順次連携していきたいと考えています。今回の導入では、無理難題にも迅速に対応していただき、三谷商事さんの問題解決力の高さには大変助けられました。今後もご協力いただきながら、バックアップ体制の整った、より強固で止めない仕組みをつくりあげていきたいと考えています。」
と語ってくださいました。
また今回とは別の部分になりますが、文書のデジタル化も考えていらっしゃいます。
「現場はまだ紙ベースで作業を行なっている部分も大きいです。デジタル化に向けたシステムの導入や、それに耐えられるサーバーの導入なども考えていきたいと思っています。」
三谷商事として、今後もニーズに応えられる提案を行っていきます。