導入事例

高度な機能性・安全性・経済性を目指した、全学規模での情報基盤システムのリプレース

国立大学法人 滋賀大学様

国立大学の情報基盤システムに求められる高度な機能性、安全性、経済性を実現するために、2023年9月に全学規模での情報基盤システムのリプレースを実施した滋賀大学様の事例をご紹介します。

情報サービスのさらなる機能強化と 強固なセキュリティを目指して

 国内最高水準の本格的なデータサイエンティスト養成学部であるデータサイエンス学部に加え、伝統と実績を重ねる経済学部、教育学部を有し、「専門×データサイエンス・AIによる新たな価値創造」を掲げる滋賀大学様。同学では、2023年9月に全学規模での情報基盤システムのリプレースを実施しました。
 同学では前回のリプレースを行った2018年から、学外の商用データセンターにプライベートクラウドシステム(仮想基盤システム)を構築し、学内外に対して情報サービスを提供してきました。今回のリプレースでは、これらの情報サービスのさらなる機能強化と強固なセキュリティを実現するために、クラウドをベースとした情報基盤システムの高度化を目指し、「サーバ基盤システム」「基盤ネットワークシステム」「PCクライアントシステム」の三つの分野を柱としてプロジェクトが進行しました。

ご担当者様写真

情報基盤センター
廣田 博 氏

担当者様のコメント

システム稼働後、目立った不具合は発生していません。こうした大規模プロジェクトで100点を取るのは難しいと思うのですが、100点に近い数字を出していただいていると感じています。

サーバおよびネットワーク分野で実現した導入メリット

 一つ目の「サーバ基盤システム」について、本プロジェクトの全体統括を担当した情報基盤センター・廣田博氏は「前回のリプレースから、基本的にサーバなどの情報機器は学内に置かないという方針でのシステム構成を進めてきました。大学構内にサーバを置くことで、関係者以外が立ち入るリスクや、工事や災害による停電が発生するリスクなどを考慮しました」とコメント。また、本プロジェクトのサーバ関連分野を担当した情報基盤センター・大内理香氏は、「新たに導入された仮想化基盤『Nutanix Cloud Platform(ニュータニックス・クラウド・プラットフォーム)』の管理画面の操作が視覚的にわかりやすく、データの復元などの作業効率が向上しました。日々のバックアップも高速で完了しますし、耐障害性能が格段に向上していると感じています」と評価しました。
 二つ目の「基盤ネットワークシステム」について、ネットワーク関連分野を担当した情報基盤センター・竹内友哉氏は、「学内ネットワークの回線速度については従来からある程度のスペックを確保できていましたので、今回はネットワークの安定性、経済性、セキュリティ対策などを重視しました。セキュリティ対策については、UTMによるネットワーク管理の一元化や、VRF(※)によるネットワークの分離が実現しました。特にVRFの導入により、学生用ネットワークと事務職員用ネットワークを分離することができ、セキュリティ性能が高まりました」とコメント。加えて、「全国の大学が接続する学術情報ネットワーク『SINET6(サイネット・シックス)』への接続性が向上しました。従来の大津キャンパスに加え彦根キャンパスからも接続できるようになったことで、SINET6接続用に彦根から大津につないでいた専用線が不要になり、回線コストが削減されました」と評価しました。

※VRF … 1つのルータ上で独立した複数のルーティングテーブルを保持できる技術のこと。

学校風景1

運用面での更新作業や アカウント管理作業にも成果が

 三つ目の「PCクライアントシステム」については、前回のFATクライアント(ローカル環境でOSやアプリケーションなどを管理)から、今回はネットブート型シンクライアント(サーバ側でOSやアプリケーションなどを管理)に変更。この変更について廣田氏は、「FATクライアントでは、学生が使用する教育用端末の全台にアップデートをかけなければいけないので、更新作業に丸一日かかることもありました。その負担が軽減されたのは大きいですね」とメリットを挙げました。
 利用者のアカウント管理の面では新たにMicrosoft 365の認証システムを導入。これについて大内氏は「サーバの作業をしていて感じるのは、ライセンスの管理がシンプルになったということ。多要素認証も利用していまして、従来から使用しているアカウント管理システム『CampusUA』を介しての連携も取りやすく、大変助かっています」と改善点を語りました。

学校風景2

BCP性能の向上など、将来に向けた課題を見据える

今回の導入を振り返って廣田氏は、「プロジェクトのキックオフが2023年5月。それから三谷商事さんには2週間に1回の定例会を開催していただきました。我々も通常業務を抱えながらのプロジェクト参加でしたので、定期的な会合でプロジェクトを前に進めていただけたことがスケジュール通りのシステム稼働につながったと感じています」と総括しました。
 今後については、「BCP(事業継続計画)の観点で停止しないシステムを目指しましたが、システム構成上、自動復旧できないものが少しだけ残ったことが今後の課題だと考えています」と大内氏。廣田氏は、「今回導入したシステムをもう少し使いこなしたいという思いがあります。例えば、セキュリティの通知機能で受け取った情報を次の対策につなげるなど、日々の運用の中で出てきた課題から改善を進めていきたいです」と展望を語りました。

お客様よりひとこと

作業量も多く、ハードなプロジェクトでしたが、三谷商事さんに進行管理をしていただいたおかげで、無事スケジュール通りの稼働を迎えることができました。本当にありがとうございました。

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  • 情報基盤センター
    竹内 友哉 氏

お客様よりひとこと

サーバやPCクライアントなどの作業が並行で進む中で、安定したシステム稼働を実現していただきました。稼働後も情報提供やアドバイスをいただき、心より感謝申し上げます。

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  • 情報基盤センター
    大内 理香 氏

国立大学法人 滋賀大学

  • 所在地
    滋賀県彦根市馬場1丁目1-1
  • TEL
    0749-27-1005
  • URL
    https://www.shiga-u.ac.jp
  • 設立
    1949年(昭和24年)
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営業担当よりひとこと

 貴学の全学情報基盤システム更新に関わることが出来たこと、大変光栄に存じます。また、導入に際して皆様からの様々なご支援ご協力を賜り誠にありがとうございました。今後も運用や利活用において精一杯の支援や提案をさせて頂きたく存じますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

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  • 情報システム事業部
    関西文教営業部
    峯田 秀典

当社SEよりひとこと

 貴学の全学情報基盤システム更新に関わらせていただき、大変光栄に存じます。無事運用を開始できたのは、皆様のご支援ご協力の賜物と考えています。今後の運用や新たなご提案でもお力になれるように努力して参ります。

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  • 情報システム事業部
    テクニカルソリューション部
    関西TS課
    紺谷 建志