導入事例
保守期限と教室スペースの制約。 二つの課題が顕在化
久留米工業大学様
久留米工業大学様では、情報ネットワーク工学科のPC教室を刷新。「シンプル イズ ベスト」を方針に掲げ、教員が柔軟に扱える環境と運用のしやすさを両立させた取り組みについて、河野央教授に伺いました。
保守期限と教室スペースの制約。 二つの課題が顕在化
久留米工業大学様が今回刷新したのは、情報ネットワーク工学科で使用するPC教室における「STEAM教育システム」です。(STEAM教育:科学・技術・工学・芸術・数学を横断的に学ぶ教育理念)
同学科教授で学長補佐も務める河野央氏は、刷新前の状況をこう振り返ります。「前回の導入から約5年が経ち、ハードウェアの保守期限が迫っていました。加えて、学生数の増加に伴い、PCの台数も不足していました」
環境面の課題も重なっていました。「従来は液晶ペンタブレットを使用していましたが、学生が各自のPCを持ち込む機会が増え、机上のスペースが不足するようになりました」と河野氏。そこで、利用状況に合った省スペースな通常モニターへの切り替えを決断しました。
さらに、教室のレイアウトにも課題がありました。「学生が全員前方を向き、教員と対面する配置だったので、教員が学生の画面を直接見られなかった。教室のスペースにも限りがあり、学生の後ろに回り込むことも難しい状況でした」。こうした学生の様子を把握しづらい点が、運用上の課題となっていました。
工学部 情報ネットワーク工学科 教授/学長補佐
河野 央 氏
教員が自由に扱える 「シンプルな環境」を最優先に
刷新にあたって河野氏が掲げた方針は明快でした。3D・2DのコンピュータグラフィックスやVR制作、Webデザイン、AI教育まで幅広い実習に対応すること。そのうえで最も重視したのが、教員と学生が自由に扱えるシンプルな環境でした。
「工業系の学科なので、学生がプログラムを動かしたりカスタマイズしたりします。毎回リセットされるシンクライアント(処理をサーバー側に集約し手元の端末を軽くする方式)のように、遠隔で管理・制御される環境は、逆に使いづらくなってしまいます」と河野氏。教員が自らの判断でアプリなどを導入でき、年度途中でも臨機応変に環境を変更できることを優先しました。
意識したのは、要件を絞り込むこと。「すべての関係者からの要望を叶えようとすると『あれもこれも』になってしまう。必要最低限の機能は何かをゴールに据えました」
システム・製品の検討にあたっては、5社ほどに見積もりを依頼。CPUやグラフィックス性能、オンサイトサポート(技術者が現地で行う保守対応)、コストなどを総合的に比較しました。採用の決め手は、三谷商事が提案した国内BTOメーカー製PCでした。「大手メーカーの製品でも、どこかで不具合が起こる可能性はあります。サードメーカー製であっても保守内容に遜色がなく、コストも抑えられました。値上がり前に迅速に導入できたことも大きかったですね」と評価しました。
教室風景
管理の負担から解放され、 学生の様子も見渡せる教室に
新システムは2026年4月に運用開始。デスクトップPCは従来の100台から115台へと増設されました。運用開始後の成果としては、「教室のシステム管理を煩わしく感じることがなくなり、気持ちよく授業ができている」と手応えを語ります。
教室レイアウトも刷新。学生が横向きに座る配置へ変更したことで通路が広がり、教員が教室を巡回しながら指導できるように。「学生の様子がよく見えるようになったのは、教員側として大きいですね」。各机には電源タップも備え、必携PCの持ち込みにもスムーズに対応できるようになりました。
現在、システムは河野氏が主担当として管理し、ほかの教員が気づいた点を随時共有する体制で運用しています。「シンプルな構成なので、万一トラブルが発生しても原因を特定しやすいはずです」と、管理のしやすさにも期待を寄せます。
提案者である三谷商事の姿勢も、印象に残ったといいます。「積極的に質問を投げかけながら、『ここはこうした方がいい』と納得のいく提案をしてくださいました。目先の利益よりも、より良いシステムを重視する姿勢が伝わってきました」
行室内のプロジェクタ
演習室から一歩踏み出し、グループワークと融合する学びへ
今後の展望について、河野氏はまず技術の進化への期待を口にします。「5年後のシステムは全く予想できません。AIがローカル(端末側)で動くのが当たり前になっているかもしれない」。STEAM教育を掲げる立場として、時
代の変化にキャッチアップしていく姿勢を示します。
同時に見据えるのは、工業大学ならではの学びの深化です。「各大学が教育の特徴で差別化しなければ生き残れません。工業大学だからこそ、逆に人と人との関わりを大切にしたい」。グループワークを重視し、そこで得られた成果をPCという補助ツールで補強することで、学びの質を高めていく構想です。
「単なる演習室から一歩踏み出し、グループワークと個々のコンピュータ演習がうまく組み合わさった環境をつくっていきたい」と河野氏。シンプルさを追求した今回の刷新は、そうした新たな学びを実現するための土台になっていくはずです。
久留米工業大学
- 所在地
- 福岡県久留米市上津町2228-66
- 設立
- 1958(昭和33)年8月
営業担当よりひとこと
既存運用の利便性を損なわないことを第一に、お客様の課題に対してシンプルで実効性の高い提案を行いました。本案件を第一歩として、今後も継続的な支援と新たな価値提案に努めてまいります。
- 情報システム事業部
福岡文教営業所
齊藤 寛孝
営業担当よりひとこと
河野先生の「シンプル イズ ベスト」という明確な方針の元、限られたスペースや課題を共に解決できた事を大変嬉しく思います。今後もグループワークと個々の演習が融合する学びの場を、万全のサポートと提案力でサポートしてまいります。
- 情報システム事業部
福岡文教営業所
酒井 隆佳


担当者様のコメント
今回で4世代目の導入です。学生の必携PCの普及でシステムの役割が変わるなか、「教員がいざというとき対応できるシンプルさ」を重視したうえで、大変満足のいく導入ができました。