導入事例

Office 365、HENNGE Oneの導入で、デバイスに依存しないセキュアなクラウド環境を整備。

ホテルモントレ株式会社様

ホテルモントレ様では、個人情報保護への取り組みの一環として、メール環境の整備をご検討。Office 365、HENNGE Oneをご採用頂き、デバイスに依存しないセキュアなクラウド環境を実現されました。

欧州の都市をコンセプトにしたホテルを全国展開

--ホテルモントレの特色について教えてください。
 ホテルモントレは1986年、中世から始まる欧州文化の中で育まれた伝統や生活様式をテーマに、お客様に上質なくつろぎを提供するホテルとして誕生しました。現在は、全国11都市に20のホテルを展開。各ホテルは欧州のさまざまな都市をコンセプトに据えており、一歩足を踏み入れた瞬間から異国情緒あふれる世界観を楽しんでいただけるようになっています。今後はインバウンド需要の拡大と2020年のオリンピックに向けて、さらに新たなホテルを開業していく予定です。
 そして私の所属する情報システム部はホテルモントレをはじめ、親会社であり不動産管理を手がけるマルイト、ゴルフ事業の隨縁リゾート、施設管理の山王ファシリティーズなど、グループ各社のITインフラの運用を担っています。

ご担当者様写真

マルイト株式会社
情報システム部
新谷 英雄 氏

担当者様のコメント

Office 365、HENNGE Oneの導入で、デバイスに依存しないセキュアなクラウド環境を整備。PCの入れ替え作業などが容易になり、運用負荷が軽減されました。

端末に依存しないセキュアなメール環境を整備したい

--Office 365およびHENNGE Oneを導入した背景はなんだったのでしょうか。
 Office 365を導入する以前は、メールは端末に依存しており、各ユーザーが使っている端末にメールが保存されていました。一方で、必ずしも一人一台端末を持っているわけではなく、飲食部門の現場などは一台のPCを複数の社員で共用している部門も少なくありませんでした。そしてグループ全体が同じような環境下にあり、必要に応じてドメインやアドレスを使い分けていました。
 また当社の特徴ですが、社内の事業所・部署間異動が比較的頻繁に起こります。そのたびにデータの移行作業が発生していたのですが、端末が個人へ完全に紐づいているわけではなかった為、移行作業は大きな負担になっていました。
 加えて、営業など外勤がある社員は業務上、社外でメールをチェックする機会が多いのですが、端末が紛失や盗難などで失われた場合、個人情報の漏えいに繋がりかねず、セキュリティ面の不安がありました。
 こうした状況の中、2017年に当社とも取引のある海外企業が標的型攻撃により顧客データに不正アクセスされるというインシデントがあり、これを受けて当ホテルとしてもセキュリティ対策の強化が必要と痛感。ちょうどGDPR(EU一般データ保護規則)の施行が控えていたこともあり、個人情報保護への取り組みの一環として、メール環境の整備を検討することにしました。この際、端末に依存しないメール環境を実現するには、クラウドサービスの活用が最適と考えたのです。

大規模メールシステムの構築に強みを持つ三谷商事をパートナーに選定

--具体的なサービスの検討はどのように進められましたか。
 2018年初めから情報収集を開始しました。それまでは、予約システムなど業務を担う基幹系システムは某メーカー系のベンダーに一任していたのですが、一社へ完全に依存したベンダーロックインは避けたいという思いもあり、複数のベンダーに声を掛けました。
 そのひとつが三谷商事だったわけですが、クラウド導入における豊富な実績と提案力を評価し、Office 365の導入パートナーに選びました。複数のベンダーの中でも特に大規模なメールシステム構築に強みを持っている点が大きかったですね。
 サービス選定については、実績面・信頼面からOffice 365かG Suiteのどちらかに決めていましたが、従来よりOutlookをメインに使っていたこと、他のマイクロソフト製品を使用していたことから業務との親和性を考慮しOffice 365を採用しました。
 HENNGE Oneは、モバイル利用におけるセキュリティの確実な担保、メール送受信アーカイブ機能および添付ファイルZIP暗号化機能を評価しました。セキュリティ面では、ログの追跡が確実にできる点もポイントでしたね。また、社外からの利用について、HENNGE Oneデバイス証明書によって利用できるデバイスを制限できる点も大きなメリットでした。

セキュリティの確実な担保が実現し、運用負荷も軽減

--導入の工程はどう進めたのでしょうか。
 2019年1月に導入作業を開始。まずは人数が少ないホテル以外の部門を対象に実施しました。そこで問題がないことを確認したのち、ホテルを含めた全社へ展開しましたが、特にトラブルはなくスムーズに進みました。
 現在、グループ全体で1300ライセンスを導入していますが、その約8割がホテルとなっています。また、今回の導入を機に、メールを利用する社員全てに固有のアドレスを割り振るようにしました。

--導入の効果について教えてください。
 まずメールについてですが、クラウド上での統合管理が実現したことで、セキュリティを確実に担保できるようになりました。IPアドレス制御とHENNGE Oneデバイス証明書による制限がかかったことで、私たちシステム部が把握/管理していない場所やデバイスからのアクセスが一切なくなったことは大きいですね。
 ユーザーからも、社外でメールを確認するのが容易になったという声が上がっています。以前は権限のないユーザーが社外からメールを確認するため、自分のPCに送られたメールをスマホへ転送していたこともありましたが、今ではいつでもクラウド上のメールへアクセスできるようになったため、スマホへメールを転送することはなくなりました。
 また、端末の入れ替えも容易になりました。現在、グループではWindows 7のサポート終了に備えてWindows 10への移行作業を進めているのですが、クラウド化により各端末にデータが残らなくなったことで、その移行作業が不要に。おかげで私たちシステム部門の運用負荷も軽減しています。
先に申し上げた通り、ホテルでは異動などが多いので、PCの設定を変更する機会が頻繁にあります。以前はそうした作業の煩わしさから、ユーザー自身が自分の使っていたPCをそのまま異動先まで持っていってしまうことも多々ありましたが、端末への依存がなくなったことで、こういうケースも減るのではないかと期待しています。
 HENNGE Oneメール誤送信防止機能も活用しています。メールを社外へ送信する際、送信してから3分間一時保留させる設定にしており、その間に誤送信に気付けば止められるようにしました。これにより、情報漏えいなどの事故を未然に防ぐことが可能になっています。

--導入後に困ったことなどはありませんでしたか。
 当初は問い合わせも多かったのですが、今のところ大きなトラブルは起きていません。ただ一点、お客様宛のメールの添付ファイルが暗号化されるため、スマートフォンを利用されている個人のお客様などで、先方が解凍ツールなどをインストールされていないと複号化できないことがありました。この点については共用アドレスから送付するメールは暗号化しないという運用に変更し対応しています。

お客様よりひとこと

--今後について何か考えられていることはありますか?
 セキュリティ分野は新しいテクノロジーが続々と登場していますので、今後も最新動向をキャッチアップしていく必要があります。三谷商事は幅広い分野の製品・サービス取り扱っていると聞きますので、今後もいいパートナーとしてクラウドのさらなる活用やセキュリティ強化に向けた支援を期待しています。

ホテルモントレ株式会社

  • 所在地
    大阪府大阪市浪速区湊町1丁目2番3号
  • TEL
    06-6647-8890
  • URL
    https://www.hotelmonterey.co.jp/
  • 設立
    1986年(昭和61年)4月
  • 事業内容
    宿泊業
  • 従業員
    1,560名(2019年6月1日現在)
  • 支店
    ホテル数:20
写真