導入事例

マンガ・アニメ制作におけるPC の位置づけは「画材」から「自己プロデュースの道具」へ

京都精華大学様

京都精華大学様は京都市に本部を置く5学部・4研究科の私立大学。中でも2006 年開設のマンガ学部は、マンガやアニメを学術研究の対象とする国内随一の学部として、多彩なクリエイターを世に送り出しています。弊社では2014 年春、プロの制作現場からも熱い注目を浴びる同学部に、液晶技術を応用した2つのデジタル機器を納入させていただきました。

制作現場に詳しいプロの視点で「学生こそ最新鋭機器を」と導入

 納入させていただいたのは、ワコムのペンタブレット『Cintiq(シンティック) 22HD touch』(以下『Cintiq』)24 台と、シャープの電子黒板『BIG PAD』18 台です。同学部准教授の西野公平氏に導入の背景を伺いました。「マンガやアニメ、ゲームなど、学生の就職希望先にあがる業界では、PC での原画作成や入稿が当たり前となっています。そのため、専門の学部として早い段階からデジタル機器に慣れさせたいとの考えが根底にありました」

 マンガ家としても活躍する西野氏によると、プロの制作現場では新しいハード・ソフトの導入スピードが実は緩やかとか。大きな理由の一つが「トラブル回避」。導入に伴うトラブルが起きると仕事自体が止まるため、「新しさよりも安定性」を求める傾向にあるのだそうです。

「制作現場のような制約がない学生時代こそ、最新鋭機器を使えるチャンス」と、西野氏は液晶画面に専用ペンで絵を描ける『Cintiq』導入を希望したとおっしゃいます。

ご担当者様写真

京都精華大学 マンガ学部 マンガ学科
キャラクターデザインコース 准教授
西野 公平 氏

担当者様のコメント

導入では理事会の承認が必要だったのですが、言葉や写真だけではイメージが伝わらないだろうと、『Cintiq』を持ち込んでデモンストレーションを行いました。マンガ学部はコースが多く、現場の先生方からもさまざまなリクエストがあがります。三谷商事さんはそうした声をきちんと捉え、的確な提案をしてくださる企業さんですね。

学生全員が『MacBook』を所有 「BYOD」で学内持ち込みを許可

「これまでは『板タブ(=従来型のペンタブレット)』を使っていました。ですが、紙に相当するディスプレイが前方にあるのに、下を向いて板タブに絵を描くのはどこか不自然なんです」
 西野氏によると、高校時代に「デジ絵」(= PC などのデジタル機器で描いたイラスト等)制作を経験した新入生は全体の20%程度。同大学で初めてデジ絵に挑む学生も、画面上に直接描ける直感的な使い勝手から「むしろ板タブのときより体になじむのが早いように見えます」(西野氏)とのことです。

 『Cintiq』に接続するPC は、新入生全員に斡旋販売するノートPC を購入。同学部の場合、アップルの『MacBook Pro』『MacBook Air』を学生全員が持ち「BYOD(Bring Your Own Device =個人所有の機器を持ち込み業務等で使う)」運用を行っています。運搬時の落下事故などを想定して、学生のPC には在学中有効のパソコン保険も付いています。

 もう一つのデジタル機器『BIG PAD』は、作品を批評しあったり、教材を投影するために活用されています。
課題の多くがデジ絵である同学部では、PC に直結できる電子黒板が何かと相性がよいというわけです。「以前使っていたプロジェクターに比べ、明るい教室でも使えるようになりました。ペンでの描き込みもできますから、学生の作品を『BIG PAD』に映し出して、ペンを使って添削するというような使い方もしています」

▲教室前方に80 インチの『BIG PAD』を設置。映像は、学生用机に置かれた中間モニタにも同時投影可能です。

外部講師の実演を電子黒板に投影 制作過程をリアルタイムで共有

同学部では、外部からプロのイラストレーターらを招いての授業「ライブペインティング」も行っていますが、このときも『BIG PAD』は大活躍。

「ライブペインティングの狙いに『制作のプロセスを学んでもらう』ことがあります。作品の完成形はネットや本で見ることができても、制作過程を知る機会は少ない。
ソフトでのツールの選び方やレイヤーの重ね方が制作効率を左右するので、電子黒板の横につきっきりで『今は何の作業をしていますか』『今選んだツールは何ですか』と質問しながら、学生の関心をひくようにしています」

 液晶タブレットや電子黒板など最新鋭の機器と、BYOD という潮流を組み合わせる同大学。双方の融合による効用を、西野氏はどのように見ているのでしょうか。
「制作現場にPC が入ってきた頃は、単に絵の具やペンに代わる『画材』としての捉えられ方でした。でも今は、プロモーションや打ち合わせなども含めた『セルフプロデュースのための道具』に変わってきています。PC 活用の幅広い技術を身に付けるには、日常的にPC を使うのが早道ではないでしょうか」

 同学部の前身・芸術学部マンガ学科設立(2000 年)から間もなく、マンガ家で現学長の竹宮恵子氏は「オンラインでの課題提出・添削」の仕組みを構想。しかし「大学に来ないとPC がない」環境が実現の壁となった経緯があるそうです。しかし、PC の軽量高性能化やネットの高速低廉化がもたらしたBYOD で状況は一変。西野氏は「ようやく時代が追いつきました」と笑みをこぼします。

▲ 学生個人の『MacBook Air』を、Windows PC 教室に置かれた『Cintiq』につないで課題制作。紙の上にペンで描くような感覚で作業が進んでいきます。

京都精華大学様

  • 所在地
    京都府京都市左京区岩倉 木野町137
  • TEL
    075 − 702 − 5131(代)
  • URL
    http://www.kyoto-seika.ac.jp/
  • 創立年
    1979年
  • 設置学部
    芸術学部、デザイン学部、マンガ学部、
    ポピュラーカルチャー学部、人文学部
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営業担当マンよりひとこと

全新入生を対象としたPC の斡旋販売でも、短期間の内にスケジュール通り、無事にお引き渡しができました。一重に先生方のお陰であります。また、本誌でご紹介したシステムについてご好評をいただき、営業担当者として大変光栄に存じます。今後も更に貴学にとってご期待に応えられるように魅力あるシステムをご提案していきたいと思っております。

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  • 情報ソリューション事業部
    関西支店 文教営業課
    岡崎 俊明

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