導入事例

「GIGAスクール構想」で市内の全小中学校に iPad 約5300台を整備

下野市教育委員会様

 全国の児童生徒に1人1台のデジタル端末を配備する文部科学省の「GIGAスクール構想」。同構想に基づき、下野市教育委員会様(栃木県)では、市内の公立小中学校を対象としてiPad(約5300台)と端末管理ツールを導入いただきました。

「GIGAスクール構想」の実現へ。 課題は「数」と「時間」

2019年12月に文部科学省から発表された「GIGAスクール構想」。「児童生徒に1人1台のデジタル端末」および「高速大容量の通信ネットワーク」を一体的に整備することを主眼に置いた同構想は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、当初の予定(2023年度までに段階的に整備)を繰り上げ、2020年度中の実現を目指すこととなります。この決定を受け、下野市教育委員会様でも市内すべての公立小中学校を対象としたデジタル端末の配布へと動き出しました。
 下野市内の小学校は11校、中学校は4 校。児童生徒、教職員を含めて約5300台のデジタル端末が必要となります。このプロジェクトを担当した教育総務課 副主幹・髙山倫宏氏は当時の状況を次のように振り返ります。
「2020年の年明けからネットワークの整備の検討に入り、同年の春から端末の検討を開始しました。まず、一番の懸念としては、5000台を超える数の端末を調達できるのかという点でした。もう一つは、2020年度中の整備完了が国からの補助金の条件でしたので、果たしてそれまでに間に合うのかというのが大きな懸念でした」

ご担当者様写真

教育総務課 副主幹
髙山 倫宏 氏

担当者様のコメント

5000台を超える端末を短期間で整備できたことは私の業務経験においても大きな宝になりました。子供た
ちが端末を活用する姿を思い浮かべ、この仕事に携わる喜びを感じています。

WindowsからiOSへ。 運用保守やソフト面も重視

デジタル端末の選定については、学校教育課 課長・田澤孝一氏に選定のポイントをうかがいました。
「これまで市内の学校のパソコンなどは、主にWindowsを採用してきました。ただ、今回1人1台の端末整備を実現するにあたり、維持管理の面ではWindowsのアップデートのわずらわしさが気にかかりました。ほかにも、子供たちが少なくとも5年間にわたって使用するにあたっての『壊れにくさ』や、もたつきのない『レスポンスのよい使用感』が得られるか否か、さらには『直感的』に操作でき、『創造性』を育むツールとして活用できることなどを重視しました」
 以上のポイントをふまえたうえで、三谷商事を含めた4 社が提案したパッケージプランから比較検討を開始。三谷商事が提案したiPadと管理ツール(Jamf Pro、Apple DEP)のプランを採用したポイントとして
髙山氏は、「導入後の運用保守や、管理ツールをはじめとしたソフト面を含めて総合的に検討しました。三谷商事さんにパッケージの詳細をうかがい、こちらの求める要件を実現していただけると判断しました」と述べました。

「いつでもアクセスできる」 教育現場からの好意的な反響

 そして2021年3月システム興産様を通じて、市内の全小中学校へのiPadの導入が完了。iPad導入後に生
まれた教育上の効果について、学校教育課 主幹兼指導主事・佐々木功一氏は、次の点を挙げました。
「現場の先生方からは、『パソコン室の空き状況に左右されることなく、いつでも電子素材にアクセスできるのがありがたい』という意見が最も多かったです。また、『計算ドリルなどのアプリによって、苦手分野を自分のペースで個別学習できる』『教員のプリント準備などに関する負担軽減』『校外学習における動画・静止画撮影の活用』などのメリットのほか、『子供たちが自分の動きを撮影・視聴し、メタレベルで認知することで、自分のパフォーマンスの改善につながっている』という意見も寄せられました」
 また、管理ツールとして導入したJamf Pro、Apple DEPについて佐々木氏は、「現場の機器トラブルでも
こちらから遠隔で状況を確認でき、対処できる点が大きなメリットだと感じています。自分たちで解決できないトラブルは、システム興産さんと三谷商事さんが迅速にフォローしてくださるのもありがたいです」と評価しました。

ネットワーク環境の格差解消や デジタルスキルの浸透も視野に

今後のデジタル環境の整備については、「これからは学校での学習だけでなく、家庭での持ち帰り学習にも対応する必要があります。その場合、インターネット環境がないご家庭に対してWi- Fiルーターを貸し出す制度を整備することを検討しています」(髙山氏)、「今後はクラウドを活用して授業や家庭学習をサポートする方法なども研究していきたいと考えています」(佐々木氏)、「デジタルツールは単に導入するだけでなく、鉛筆や消しゴムといった慣れ親しんだ道具のように使えるようになることが肝心だと考えています。下野市の教育スローガンの一つに『当たり前のことを当たり前に』という言葉がありますが、デジタルツールも、子供たちや先生方が『当たり前に』使いこなせるスキルを身につけられるよう、我々としても環境整備やサポートに努めていきたいと考えています」(田澤氏)と、展望を語ってくださいました。

お客様よりひとこと

システム興産さんと三谷商事さんにご協力いただき、「ここまでできるんだ」という可能性を実感しました。今後は、さらに有効な活用方法を子供たちや先生方と共に研究していきたいです。

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  • 学校教育課 主幹兼指導主事
    佐々木 功一 氏

お客様よりひとこと

子供たちや先生方が「導入してよかった」と言えるように、そして子供たちの学びを深められるように、今後
ともシステム興産さんと三谷商事さんにご協力いただければと考えています。

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  • 学校教育課 課長
    田澤 孝一 氏

システム興産様よりひとこと

小中学校15校で御使用されるiPadを下野市教育委員会様と御一緒に運用させていただき誠にありがとうございます。
 お客様も初めての試みに不安だとは思いますが、一つ一つ丁寧に安心してご利用いただけるようサポートを努めて参ります。

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  • 営業部
    次長兼営業1課課長
    木村 透 氏
    営業部 SE課 
    古川 正輝 氏

下野市教育委員会

  • 所在地
    栃木県下野市笹原26番地
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当社担当営業・SEよりひとこと

短期間で導入頂き、負担軽減や改善などの効果が上がっているとのことに喜びを噛み締めております。
 今後、クラウドを活用した授業や家庭学習のサポートについてもシステム興産様と連携して良いご提案が出来るように致します。

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  • 東京文教TS課
    奥永 京太
    文教営業部
    東京文教課
    本堂 昌孝 片岡 明