情報誌・レポート

まつたけ君

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Vol.65 ダウ平均株価って何?

「ねえコレ、取引先にお願いして特別価格で買ったのよ」
「えーっ、特別高く買ったの?それはカワイソー」
「おまけにお食事券までもらっちゃったわあ」
「おまけに汚職事件にまで巻き込まれちゃったなんて、ガチ・カワイソー」
「課長、この前教えてもらった日経平均やTOPIXって、いったい誰が計算して発表してるんですか?」
「日経平均株価指数は、その名前の通り日本経済新聞社がやってるんだよ。日本経済新聞社の略が日経だね。TOPIXは正式には東証株価指数っていうんだけど、こっちは東京証券取引所が計算して公表しているものなんだ。東京証券取引所の略が東証ということだね」
「日本の上場会社の株の値段はわかりましたけど、アメリカの会社の株の値段にもそういうモノサシってあるんですか?」
「アメリカにも日本と同じように株価の動きを表す指標があるんだよ。日経平均と同じ計算方法をとっているのがダウ平均株価と呼ばれるモノサシだね」
「ニッケーじゃなくてダウですか?」
「そう、こちらはダウ・ジョーンズ社というアメリカのニュース通信社が算出しているものなんだ。対象銘柄の多くがニューヨーク証券取引所に上場してるから、ニューヨーク・ダウとも呼ばれているね。ニューヨークのことをカッコよくNYと略してNYダウって書くんだ」
「日経平均の対象銘柄は225社ですけど、ニューヨークっていうぐらいだから、もっとたくさんの会社を対象にしてるんでしょうね?」
「ダウ平均は正式にはダウ工業株30種平均というんだけど、これが驚くことにダウ平均の対象会社は30社だけなんだ」
「エーッ!たった30社だけでアメリカの経済状況を決めてるんですか?」
「たとえば、何千人も社員のいる大企業のことを知りたい時に、そこの社員全員見ててもわかりづらいけど、営業・製造・事務など各部門の代表社員2名ずつと会った方が、かえってよくわかるのと同じ理屈なんだろうね」
「その30社には、どういう会社があるんですか?」
「みんなが名前を聞いたことがある会社だと、航空機のボーイング社だとか、自動車のゼネラルモーターズ、コンピュータのアイビーエム、ソフトウェアのマイクロソフトなんかが入ってるね。工業株っていうけど、工業以外の業種の会社も含まれているんだよ」
「日本のTOPIXみたいに、そのダウ平均以外にもアメリカの株価を表すモノサシってあるんですか?」
「あるある、エスアンドピー500というのがあるね。普通S&P500って書くんだけどね」
「なんです?その牛やんとピーコっていうのは?」
「アメリカの投資情報会社スタンダード・アンド・プアーズ社の略称をS&Pというんだけど、そこが発表している株価指数がS&P500と呼ばれているんだよ」
「500って数字がつくのは日経225と同じで、500の会社が対象になってるってことかしら?」
「おっ、ひな子の読みはするどい、まったくその通り。アメリカのいろんな業種を代表する会社の株500銘柄を対象にして計算されているから、アメリカ市場全体の動きを表す指標として、ダウ平均とともによく使われているんだよ」
「でも、そんなの教えてもらっても、ボクがアメリカの会社の株を買うなんてことはないと思うけど」
「株を買う買わないじゃなくて、まつたけ君もビジネスマンとして経済活動に参加しているんだから、日本やアメリカの経済活動の状況を端的に表している数字ぐらい見ていないとな」
「まつたけ君が珍しく新聞見てると思うと、いつもテレビ番組欄ですもんね」
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