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まつたけ君、星座は? |
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ボク、正座は苦手なんです。 |
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誕生日よ。 |
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大丈夫よって、ひな子はやさしいね。 |
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もう違うでしょ、生まれ月を聞いてるの! |
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やだなあ、ボクは生まれつきキレてませんて。 |
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課長、打合せの途中ですけどコーヒーでも買ってきましょうか? |
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まつたけ君、せっかく話が盛り上がっているのに、流れにサオさすようなこと言わないでよ。 |
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別にジャマするつもりで言ったんじゃないんだけど、何か飲み物でもあった方がいいかなって思って…… |
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ちょっと待てよ、ふたりともその会話はおかしいぞ。 |
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何がおかしいんです? |
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んー、流れに棹さすというのは流れを止めたり、流れに逆らうという意味じゃないんだ。その逆で流れに乗る、流れの勢いを増すという意味なんだから、今のひな子の使い方じゃおかしいだろ。 |
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えーっ、それはないっしょ。流れに竹竿を何本もさしたら勢いは止まるじゃないですか? |
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まつたけ君スゴイことイメージしてるわね、でも流れに何かさしこむと流れに逆らうって感じはあるわよね。 |
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流れにサオさすのサオは洗濯ものを干す竹竿と違って、棹という字を書くんだ。 |
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この竿とこの棹とどう違うんです? |
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竿の方はみんなが思ってる竹竿のことなんだけど、こっちの棹は船頭さんが舟を進める道具のことなんだよ。 |
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あの川下りなんかで船頭さんが持ってる長い棒のことですよね? |
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そうだ、あれは川底を突いて舟を進めるためのものだろ、だから流れに棹をさすというのは、流れに乗って勢いを増すような行為をいうんだ。 |
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ということは、私たちはまったく逆の意味で使ってたってわけ?もう信じられないってカンジィ。 |
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じゃあ、どうやって使えばいいんです? |
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そうだな、流れに棹さす発言に助けられ会議は活発に進んだとか、我が社はIT化の流れに棹さして事業を成功させたとかいう使い方かな。 |
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ンー、ちょっとボクが使う時はなさそうですね。 |
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使わなくていいから、まつたけ君は早くコーヒー買ってきて。 |
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アーひな子、さっきと言ってることが違う。 |
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コーヒーに助けられ会議は活発に進んだってことになるかもよ。 |
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