情報誌・レポート
ITコラム
Vol.17 PLCをご存知ですか?
PLCとは家庭内にある電気を送るためのコンセント+電力線に高周波の信号を 変調してネットワークインフラとして利用するという技術です。無線LANに変わ るネットワークとして大変注目されています。PLCとは「Power Line Communicat ion」の略で日本語で「高速電力線通信」と訳されています。
そもそも電力線を使った通信というのはかなり前から研究が進められており、 まだインターネットの常時接続が一般的でなかった2000~2001年頃から実用化が 考えられていた技術です。高周波になるほど電波漏れが多くなることからア マチュア無線や短波放送などに影響するという問題があり、推進派と反対派が長 く話し合いを続けていました。
2005年、大まかな条件などが決められ、2006年の10月に屋内でのPLC利用が解 禁されました。それを受けて、PLC対応のアダプタ(LANと電力線の通信を変換す るモデム)が登場しはじめています。このアダプタの親機をインターネットモデ ムなどの機器とコンセントに接続しておけば、どの部屋のコンセントからでも子 機を通してインターネット接続が可能になります。
トイレでも台所でも電力線がつながったコンセントがあればいいので、特別な 工事は不要です。有線LANと違い、配線をする必要もありません。無線LANでは電 波が届かなかった別フロアでも、快適にインターネットが使用できます。
ただし、PLCはノイズの影響を受けやすいという弱点があります。PLCアダプタ をOAタップに接続したり、ノイズの多い電源アダプタや携帯電話の充電器などノ イズを発生する機器を同時に接続すると通信速度が落ちる可能性があります。
実際に松下電器から通信速度190Mbps(理論値)のPLCモデムが12月9日に発売され 売れ行き好評のようです。量販店でも品切れ状態が続いています。アイ・オー・デ ータ機器をはじめとするメーカや通信会社が参入・販売を予定しています。
まだまだ改良すべき点が多いかもしれませんが、 その分なかなかおもしろいインフラになりそうです。
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