PCのゼロタッチキッティングサービス「Windows Autopilot」とは?Microsoft Intuneと合わせてデバイス管理を簡略化しよう!
- 2023.05.22
- クラウドサービス基礎知識
- DX
情報システム担当者にとって、業務用PCのセットアップは大きな負担になっています。PCの台数や利用するシステムやアプリケーションが多ければ多いほど、行わなくてはならない作業も増えるものです。そこで今回は、こうした負担を軽減するゼロタッチキッティングサービスから、Windows Autopilotについて解説します。
情報システム担当者の負担を軽減するWindows Autopilot
企業の情報システム担当者の悩みの一つに、「従業員が利用するPCのセットアップが大変」というものがあります。業務で使うツールは多岐にわたり、一人ひとりのPCに社内システムや各種アプリケーションをダウンロードするのは、非常に時間がかかるものです。
また、それぞれインストールしていくことは単純作業ではありますが、人の手で行うためミスが発生する確率もゼロではありません。従業員の数が増えれば増えるほど、情報システム担当者の負担も大きくなります。
さらに、テレワークの普及した現在、オフィスに出勤するとは限らない従業員一人たちに、セットアップが完了したPCを渡すことも一苦労です。対象が数十台であればまだしも、新入社員が複数人配属された場合など、非常に面倒でしょう。こういった課題を解決するのが、Windows Autopilotです。
Windows Autopilotとは
Windows Autopilotとは、Windowsのデバイスを簡単にセットアップできるツールです。新規デバイスのセットアップと、既存デバイスのリセット・再セットアップの両方に対応しています。
Windows Autopilotを利用すると、キッティングのために従来対応していた情報システム担当者を経由することなく業務用PCを従業員に届けられます。PCを受け取ったら電源を入れ、インターネットにつなげると自動でセットアップが完了です。
ユーザーとなる従業員は、自分でソフトのインストールやアプリのダウンロードなどする必要はありません。すぐに、届いたPCを使って業務に取り掛かることができます。
Windows Autopilotを使うメリット
Windows Autopilotの最大のメリットは、情報システム担当者の負担が軽減できることです。前述の通り、事前のセットアップやダウンロードなどが不要なため、定期的に発生する業務を短縮できます。
また、あるPCを利用していた従業員が退職し、別の従業員に貸与する際、リセットから再セットアップすることも簡単です。さらに、最新OSは年に2回のペースで機能更新がありますが、その度にマスターイメージを作成・展開する必要もありません。
そして、既存環境をクラウド環境に移行する必要性が生まれます。従業員が必ずしもオフィスにいるとは限らない状況が増えてきた昨今、オンプレミスでは対応しきれず多くの企業で社内システムのクラウド化が求められています。Windows Autopilotの導入はこういった需要にマッチし、業務で利用するシステムなどのクラウド化を促します。
Windows AutopilotとMicrosoft Intuneの併用
Windows Autopilotを利用するためには、Microsoft Intuneが必要です。Microsoft Intuneとは、モバイルデバイスとモバイルアプリの管理を行うEMSサービスです。利用することで社内のデータへのアクセスを制限できたり、アプリケーションのインストールを制限できたりします。
情報漏洩対策にも有効で、社内のデータをコピーや切り取りなどできないよう設定が可能です。万が一デバイスを紛失してしまっても、デバイス内のデータやアプリケーションを遠隔から削除できます。
Microsoft Intuneはクラウドサービスのため、テレワークを導入している企業でも問題なく活用できますし、サーバー運用管理費がカットできるためコスト削減に寄与します。従業員が個人所有するデバイスを利用する場合でも、プライベートなデータやアプリとは完全に切り離し、社内のデータが漏洩しない形でアクセスできます。
Microsoft Intuneについてもっと詳しく知りたい方は、「Azure ADに新機能登場!条件付きアクセスでの高度なセキュリティとは?」をご覧ください。
ゼロタッチキッティングで情報システム担当者の負担を軽減しよう
最近では、情報システム管理者があらかじめクラウド上でデバイスの設定を行い、ユーザーはインターネットにつなぐだけのゼロタッチキッティングを活用する企業が増えています。Windows Autopilotは、これを実現する最適なツールの一つです。社内のクラウド化を進める意味でも、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
また、ゼロタッチキッティングの実現には他の選択肢もあります。例えばApple製品ではJamf Proが有名です。こちらの詳細を知りたい方は、「Mac端末の管理、できていますか? Jamf Proでの管理方法と実際の導入事例をご紹介~WindowsとMacの併用管理について徹底解説~」をぜひご覧ください。
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