もう端末にデータは置かない!AVDの魅力とシンクライアント端末のメリットとは?

もう端末にデータは置かない!AVDの魅力とシンクライアント端末のメリットとは?

リモートワークが一般化している現在、企業では「従業員がオフィス以外の場所で、いかに快適・安全に業務を行う環境を作るか」が重要な課題となっています。そこで注目を集めているのが、シンクライアント端末を利用したAVDの活用です。今回は、AVDとは何か、どのようなメリットがあるのかなどについて解説します。

AVDとは

AVDとはAzure Virtual Desktopの略称で、かつてWindows Virtual Desktopと呼ばれていたものを指しています。これは、クラウドへの仮想デスクトップ環境を簡単に構築するためのサービスです。

接続元は、Windows デスクトップ、Web ブラウザ、Android、macOS、Linux デバイスといったリモートデスクトップクライアントが対象となっています。

料金は、利用ユーザー数、ホストプールタイプ(シングルセッション/マルチセッション)、仮想マシンの必要なスペック、OS のディスク( HDD / SSD )、Windows 10 のライセンス、その他オンプレミスとの接続( VPN や Express Route による接続)、オプションの有無などによって変わります。

AVDを利用することでデータがクラウド上に保存されるため、従業員が自宅のPCを利用していてもそこから情報がもれにくくなります。また、インターネット経由で接続するため多要素認証を設定できるため、セキュリティ対策として有効です。社内で利用しているシステムについては、VPN接続も可能です。

リモートワークではどのように安全な情報管理を実現するかが大きなポイントですが、AVDを導入することで、多要素認証以外にも監査ログなどによりリスクを低減できます。

また、マシンの台数をベースに利用料金が決定するので、数名の従業員で仮想マシンをシェアすれば、その分コストを抑えやすくなります。AVDは従量課金制のため、利用する時間を制限することでさらなるコストダウンもできます。

セキュリティ管理者のメリットとしては、すべての端末をそれぞれ設定し常に適切な状態に保つ手間が省け、一元管理で対応できます。さらにWindows 10 Enterprise E3 以上、Microsoft 365 E3 以上のライセンスを保有していればそのまま利用できるので、改めてライセンス取得を必要とする他製品よりも導入が簡単です。

AVDと比較されるWindows 365

AVDは、Windows 365と比較されることがあります。Windows 365はCloud PCと呼ばれるリモートデスクトップを使えるようになるサービスで、管理負担を軽減したりセキュリティが向上したりと様々なメリットがあります。

導入がしやすいだけでなく、月額2,720円からと一定料金でわかりやすく、少人数のユーザーでも利用しやすいです。Windows 365の詳細については、「DXを先駆けるWindows 365とは?概要と導入のメリット・デメリットを解説」をご覧ください。

AVDと比べると、Windows 365が最小限の手間でDaaS環境を構築したい企業向けなのに対し、AVDはどのようなマシンをユーザーに使わせるかを細かく決められるといった違いがあります。Windows 365はカスタマイズなどをするのではなく、構築、設定、運用を簡単にしたいというニーズに合致します。IT人材がいなくとも、一般的なDaaS導入ができる点は魅力です。

一方でAVDは、自分でホストプールを構築できるので、社内のニーズによってカスタマイズできる点がメリットです。ただ、詳細なカスタマイズを行うためにはAzureについて詳しい人材が必須となります。

また、Windows 365のユーザー設定・管理範囲が、ユーザー管理、認証情報の同期、OS、ネットワーク接続であるのに対し、AVDはユーザー管理・認証基盤、セッションホスト、セッションホストのOS、マスターイメージ、ネットワーク接続などカバー。こちらも、簡単に設定をしたい企業はWindows 365が、より細かく設定したい方はAVDがおすすめです。

Windows 365はCloud PC リサイズで簡単に変更可能ですが、AVDはホストプールの再展開・コマンドを利用してのサイズ変更を行います。また、Windows 365はシングルセッションでのため1ユーザーがクラウド上のWindows環境を占有しますが、AVDは基本的にマルチセッションのため複数人が共有でき、コストパフォーマンスに優れています。

このようにそれぞれメリットとデメリットを理解した上で、ニーズに合ったサービスの導入が必要になります。

シンクライアント端末としてのChromebook

リモートワークでAVDの利用が広がるのと同時に、シンクライアント端末としてChromebookを導入する企業も増えています。Chromebookは2万円台からと非常に安価で、多くの従業員を抱える企業でも大量に購入しやすい点、セットアップが非常に簡単な点が大きながメリットです。

また、いくつかの種類があるのでニーズに合わせて選ぶことができます。たとえばLenovoのIdeaPad Slim 360 Chromebook(型番:82KN001CJP)の解像度はフルHD、バッテリー持ちも14.7時間と十分です。ASUSのASUS Chromebook C425TA(型番:C425TA-AJ0375)は、英語配列のキーボードが搭載されているのでエンジニアにとって使い勝手がよく、CPUには省電力性と性能を両立したCore m3-8100Yが使われています。

Chromebookを利用する企業でよく導入されているのが、Google Workspaceです。ハードウェアやソフトウェアを追加で購入せず運用できるため、コスト面で大きなメリットがあります。また、導入に時間がかからず、すぐにスタートできる点もポイントです。Google Workspaceに保管したデータはすべてGoogleのサーバーに安全に保存されるため、もし端末が故障したり、盗まれたりしてもデータは紛失されません。

アプリケーションも豊富で、Gmailやカレンダー、ドライブのほか、ドキュメントやスプレッドシート、スライドなど60以上あります。これらはChromebook以外の端末からも利用できるので、取引先と一つのドキュメントを一緒に編集するといったことも簡単にできます。

また、Chrome Enterprise Upgradeと利用することで、同一管理コンソールによる一元管理ができるようになり、従業員が個人のGoogleアカウントにログインすることを防ぎます。また、SSOによるSAML認証などもできるようになります。

ユーザーである従業員からしても、Google Workspace のアカウント利用のためのログインが一度だけになり、ブラウジングに特化しているので軽快にオンラインの編集などできます

ChromebookとGoogle Workspaceについては「今需要が増えているGoogle Workspaceって?~Chromebookとの併用でテレワークの効率化を実現~」をご覧ください。

AVD環境で適切な端末を利用し、リモートワークを快適に

AVDはリモートワークを円滑に、そして安全に行うために非常に役立つサービスです。シンクライアント端末としてChromebookを併用することで、より効果的に活用できます。リモートワークにおけるセキュリティ対策を強化したい方は、ぜひご検討ください。

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