DXを先駆けるWindows 365とは?概要と導入のメリット・デメリットを解説

DXを先駆けるWindows 365とは?概要と導入のメリット・デメリットを解説

2021年7月に発表されたWindows 365は、企業のDXを実現する画期的なクラウドサービスです。今回はこのWindows 365について、概要や導入のメリット・デメリットについて解説していきます。

Windows 365とは

Microsoftは2021年7月、Windows 365の提供を発表しました。これは同社のOSであるWindowsのクラウドサービス版で、ユーザーはCloud PCと呼ばれるリモートデスクトップを使えるようになります。リモートワークが広がる中で、時間や場所、デバイスを問わず自分のPCを使える点がニーズとマッチしました。

2021年8月からサービスを提供し、当初はOSとしてWindows 10のみの対応でした。しかし10月には「Windows 365 Enterprise」で「Windows 11」をサポートしたと発表。これによりWindows 365 でより簡単に最新OSが使用できるようになりました。

Windows 365にはWebブラウザでアクセスするため、使用するPCがWindows PCである必要はありません。MacやiPad、Chromebookからでも利用可能です。プランとして大企業向けのEnterpriseと中小企業向けのBusinessの2つのエディションがあり、いずれも2,720円/月から使えます。

利用できるアプリも多岐にわたっており、最新のOfficeアプリを提供するMicrosoft 365、顧客情報を共有・活用するMicrosoft Dynamics 365、ローコーディングでデータの収集・解析・予測を行うMicrosoft Power Platformなどを使うことができます。

Windows 365はこれからクラウドシフトしたい企業にとって役立つ存在であり、導入することでDXを進めることができます。具体的にどのようなメリットがあるか、詳細を解説します。

Windows 365を導入するメリット

Windows 365には数々のメリットがあります。

1.管理負担を軽減する

Windows 365を導入することで、情報システム部の管理負担が軽減されます。これまでは、従業員に配布するデバイスにWindowsや各種アプリを入れ、設定をしなくてはなりませんでした。しかしWindows 365を利用することで、どのデバイスでも同一の環境で利用できるようになります。

また、Windows365 の提供形態は月額固定制のサブスクリプションとして提供しているので、企業の固定費として経費に計上が可能になります。そのため資産管理をしなければならない物理PCに比べて、経理面でも管理が楽になるといえるでしょう。

2.セキュリティが向上する

デバイス紛失による情報漏洩のリスクが低減することも、メリットの一つです。各種データはデバイスではなくクラウドに保存され、暗号化されます。いわゆるBYOD(Bring Your Own Device)によるリスクがなくなるため、より安全な情報管理を目指す企業にとっては有益なサービスです。

また、OSのアップデートも自動で行われるため、手動でのセキュリティアップデートも不要です。さらに、Azure ADでユーザー管理を行うことで、ゼロトラストセキュリティや多要素認証を利用することになります。セキュリティレベルが向上し、悪意のある第三者からの攻撃を防ぐことが可能です。

3.環境構築が簡易化する

もともとはAzure Virtual Desktopという名前で公式的な同様のサービスを展開していましたが、構築や導入、運用等で、環境構築に手間がかかるという難点がありました。しかしWindows 365はMicrosoftが構築してくれることから、導入と運用が簡単で、すぐに使い始められる利点があります。これにより、インターンやアルバイトなど、短期で参画するメンバーへの対応も簡易化します。

4.Azureのサービスより導入しやすい

サーバーやネットワークをクラウド上で提供するMicrosoft Azureや、デスクトップ環境を仮想化するAzure Virtual Desktopなどを使えば、Windows 365と同等の環境を作ることはできます。しかしAzureのサービスは大規模なユーザーを必要とする点や、従量課金制で予算を立てにくい点から、中小企業での利用は難しいのが現状でした。

しかしWindows 365は月額2,720円/月からと料金が一定でわかりやすく、Azureのサービスに比べると導入しやすいという側面があります。

5.DX促進に貢献する

上記のようなメリットから、Windows 365は企業のDX促進に貢献します。ハードウェア・ソフトウェアの煩雑な管理を必要とせず、技術的なリソースで課題を抱えることなくDXを推進できるため、いまだアナログな環境から脱却できていない企業にとって非常に利用価値が高いでしょう。

Windows 365のデメリット

Windows 365を導入するにあたり、いくつかの課題を理解しておく必要があります。

1.スピード感があまりない

あくまでWebブラウザ経由での使用となるので、スピード間はそれぞれのネットワーク環境に依存しますが、基本的にWindows 365は重く、常に迅速な処理が必要な現場に向いているとは言えません。スピード感が求められる業界や業種にとっては、あまり実用的ではない場合もあります。

2.コストが長期的にかかる

Windows 365はサブスクリプションサービスのため、利用を続ける限り毎月料金が発生します。長期的に利用すれば、いずれは支給用のPCやタブレットを購入できるだけの金額となります。前述の通りクラウドサービスならではのメリットはあるため一概に料金だけで「デバイスを購入した方がよい」とは言えませんが、コストとメリットのバランスを考える必要があります。

Windows 365でより快適なリモートワーク環境を

リモートワークが一般的となった現代では、従業員がどこからでも快適に業務に取り組める環境を作る必要があります。そんな中でWindows 365の導入は、非常に役立つサービスだといえるでしょう。

またMicrosoftは、ハイブリッド・ワークと呼ばれる在宅と在社の両方を組み合わせた働き方が主流になると予測しており、多数のデータセンターを有しクラウドインフラストラクチャーを確立していることから、今後もこういった画期的なサービスを提供すると考えられます。時代の流れに乗り遅れることのないよう、こうした新しい技術や製品を柔軟に取り入れていく姿勢が大切です。

三谷商事では常に最新の情報をキャッチアップし、お客様がより快適な環境で業務を実行するためのサポートをしています。Windows 365をはじめ、社のDX推進などにお悩みがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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