昨今のランサムウェア被害とは?ランサムウェアからデータを守る最新バックアップをご紹介
- 2024.09.25
- クラウドサービス基礎知識
近年急速に増加しているサイバー攻撃と言えばランサムウェアでしょう。ランサムウェアはデータを暗号化し、復号のために身代金を要求する悪質なソフトウェアで、社会全体に大きなリスクと課題をもたらしています。企業や医療機関、公共機関などの重要なデータが人質に取られることで業務の停止や個人情報の漏洩といった深刻な影響を及ぼしています。
今回は、ランサムウェア対策としてデータのバックアップ方法とその構成について詳しく解説します。どのようにして安全なバックアップ環境を構築するか、ランサムウェア対策に有用なルールを基に具体的なソリューションも交えご紹介していきます。これによりランサムウェアの脅威からデータを守るための手助けとなれば幸いです。
昨今のランサムウェアによる被害
大きな爪痕を残すランサムウェアの攻撃
警察庁「令和5年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によると、 年々被害件数が増加し、高い水準で推移していることがわかります。但し、この数値はあくまでも届け出のあったもののみとなっているので実数はこれ以上であると予想されます。
これらのデータからもわかるように、ランサムウェアの脅威は年々深刻化しています。最近は「暗号化データの解除で要求+応じなければデータを公開」といった二重脅迫型が主流になりつつあり、被害拡大が懸念されています。
バックアップの大原則「3-2-1-1-0ルール」を守れていますか?
ランサムウェアの脅威が増大する中、データ保護の重要性がますます高まっています。そこで注目されるのが「3-2-1-1-0ルール」です。このルールは、データのバックアップとリカバリ戦略を強化し、ランサムウェア攻撃からの迅速な復旧を可能にします。ここでは3-2-1-1-0ルールの具体的な内容とその効果について詳しく解説します。
3-2-1-1-0 ルールとは
NIST サイバーセキュリティフレームワーク に基づく 3-2-1-1-0 ルール ではオリジナルデータを基準にして下記を実践することでデータの安全性と回復力を大幅に向上させることを目的としています。
3つデータを複製することで1つのコピーが破損しても他のコピーで復元が容易になります。
データのコピーを2種類(以上)の異なるメディア(ハードディスク、クラウドストレージ、テープメディアなど)に保存することで1つのメディアでデータが破損や故障が生じてもデータが保護されます。
少なくとも1つのコピーを物理的に破損した場合に備えて別の場所(オフサイト)に保管することで災害(火災や洪水など)からデータを守ることができます。
1つのコピーはイミュータブル(変更不可能)な形式で保存することでランサムウェアなどによるデータの改ざんを防ぎます。
バックアップとリストアのプロセスにエラーがないことを確認します。定期的にテストを行ってデータが確実に復元できることを確認します。
このように 3-2-1-1-0 ルールでは 従来の 3-2-1 ルールになかった「イミュータブル保存」「0エラー完了」の概念が追加され、さらに強力なデータ保護が可能になりました。
ルールがより厳格化され、セキュリティ関連製品の進化も続いていますが、増加するランサムウェア攻撃の中、たとえ厳選した最新のEDR製品でランサムウェアの侵入対策を実施しても予期できない被害が起こる可能性は払拭できません。このため「書き換えができない不変コピー」「ゼロエラーバックアップ」等の強い保護ポリシーに基づきデータを強固に保護する「イミュータブルストレージ」の導入が推奨されています。
主なバックアップ製品についてご紹介
ここではランサムウェアの脅威からデータを守るため、信頼性の高いイミュータブルストレージの導入について見ていくことにします。
HPE StoreOnce
HPE StoreOnceはランサムウェアによる書き換えを防ぐイミュータブルストレージです。
HPE StoreOnceは定期的にスナップショットを取得してデータの整合性を保っています。データが一度保存されると変更や削除ができないため、ランサムウェアがデータを暗号化しようとしても元のデータを復元することが可能です。
ランサムウェアからの保護を強化し、データの安全性と可用性を高めるための強力なツールとしてお勧めしたい製品です。
詳しくはHPE StoreOnce WEBサイトをご確認ください。
関連記事:ランサムウェア対策
ランサムウェアは企業にとって大きなリスクとなっています。最新の対策を講じることはもちろん重要ですが、基本的なセキュリティ環境の整備も欠かせません。
今回はランサムウェアからデータを守る最新バックアップをご紹介して参りましたが、当サイトでは過去に「ランサムウェアへの対応策!EDR製品の選び方とCybereason EDRの強みを解説!」や「セキュリティ環境を整備しよう!ランサムウェアの攻撃に対処するための対策とは?」前編・後編 などを公開しました。これらの記事でも、ランサムウェアの脅威と具体的な対策方法を解説しています。まだご覧になっていない方は、ぜひチェックしてみてください。
ランサムウェアへの対応策!EDR製品の選び方とCybereason EDRの強みを解説!
ランサムウェアへの対応策
・ランサムウェアの脅威
・EDRの重要性
・Cybereason EDRの強み
・中小企業向けソリューション
セキュリティ環境を整備しよう!ランサムウェアの攻撃に対処するための対策とは?
前編 ~入口対策、内部対策編~
・ランサムウェアの脅威
・入口対策
・内部対策
・適切な対策のポイント
後編 ~出口対策、まとめ編~
・出口対策の重要性
・ゼロトラストセキュリティ
・テレワークの影響
・企業のリスク
ランサムウェアに不安を覚えたら
弊社では、ランサムウェアに対抗する多くの製品、ソリューションを取り扱っております。今回少しでもご興味を持たれた方、自社のランサムウェア対策はどうなっているのかご不安な方や導入を検討したい、相談したい等がありましたら下記より三谷商事までご連絡ください。これまでの豊富な納入実績に基づきお客様の現状や課題を分析し、技術的なサポートなどをご提供します。
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