もりすけさん
私がMacをプライベートのメインマシンにしたきっかけは、ジョブズがAppleに復帰して2年あまりで世に送り出したiMacを目にし、今は定年で引退していますがIT企業で終日仕事に使っていたWindowsマシンには感じられないクールで未来的な世界観に魅入られたからです。
手に入れたのはボンダイブルーのiMac Rev.Bで、キーボードやユーザーインターフェースの違いに慣れるまである程度の時間が必要でしたが、それでも着実にメインマシンにふさわしいモノに近づいて行きました。
趣味で小さなプログラムを作るための開発環境も、それまで使っていたVisualBasicに近い構造を持つREALbasicが必要十分に補ってくれました。 しかしそんな中でWindowsにあってMacに無い「あるモノ」が気持ちの隅に寂しさをつのらせ始めてきたのです。 それは「フリーセル」でした、Windowsではおまけとして必ず入っていて多くのファンを持つあのゲームです。
今はMacでも気軽に手に入る「フリーセル」が多くありますが、当時はオンラインゲームなど探しても見つからなかったのでした。 そこでMacを私にとって非の打ち所のないモノにするための最後の足りない部分は自分で埋めようと、上がったテンションに背中を押されて無謀にも制作に取り掛かったのです。
しかし平凡なサンデープログラマーでしかない身にとって思ったよりハードルは高く、何度も壁に突き当たってそのたびにやっぱりやめようと思いながらの制作になりました。 Macを入手して2年半近くの時間が経った頃になってなんとか動く状態になり、「M'sFREECELL」と名付けて公開すると同時に晴れて私のメインマシンになってくれたのです。
この「M'sFREECELL」は私同様に「フリーセル」をMacで遊びたいという思う人が多かったのか、公開直後からダイレクトな反応がありその後一年で要望の取り込みやバグフィックスなどで10回のバージョンアップを実施しました。 ちなみにこのゲームは初期カード配置として32000パターンが生成され、そのクリア状況を確認できる機能を用意していたのですが、数年後に届いた「全部クリアしました」というメールは驚きでした。 定年を迎えた年齢になって白状しますが、実は全てのパターンがクリアできることをそのメールによって知ったのでした。