導入事例

システム刷新に伴い1309台のiMacを一元管理

国立大学法人 神戸大学様

1902年創立で現在、10 学部・15 研究科(大学院)などを擁する神戸大学様。学内では神戸市内に点在するキャンパスを結ぶ教育研究用計算機システム『KAISER』が稼働を続けています。2016年9月、その3代目として供用開始した『KAISER2016』にて、Macによるネットブート環境や学修支援システムなどの構築を支援させていただきました。

大規模ネットブートを10年前から運用中

神戸大学様とのお取り引きは約10年前、当時稼働していた教育研究用計算機システム『KAISER2006』のころにさかのぼります。同システムの構築に当たり、Macを使った教育用端末のネットブート環境を導入した神戸大学様。当時、数百台規模のネットブート環境を構築している事例が全国でも少なかったことから、機器メンテナンスという形でお取り引きが始まった経緯があります。

神戸大学様ではその後、2010年供用開始の『KAISER2010』の構築を経て、2014年1月ごろから『KAISER2016』(以下『KAISER』)に向け検討をスタート。供用開始を2016年 9 月 1 日と定め、仕様を固めていきました。

『KAISER』の検討に当たっては更新ごとに複雑化するシステムを自動化などで効率的に運用できるようにする一方、学内各部局からの要請が高まっているセキュリティレベルの統一・維持も兼ね備えたものになるよう議論を重ねました。

ご担当者様写真

神戸大学
情報基盤センター
教授 熊本 悦子 氏

担当者様のコメント

昨年9月からの稼働開始ということで、三谷商事さんには暑い中で機器設置などに尽力いただきました。当方からの質問に対するレスポンスも的を射た内容で「良くしていただいている」という実感があります。教育用端末やLMSはユーザーに一番近い存在なので、これからも一緒により良いものに育てていきたいです。

システム刷新に伴い1309台のiMacを一元管理

熊本氏は当時を振り返ります。「ネットブート環境を維持する方針について検討していましたが、実は大きな問題が浮上していました。『KAISER2010』の時にブートサーバーとして使った Apple の『Xserve』が生産中止になっていたのです」。

神戸大学様が仕様策定にかかる資料招請・意見招請を実施された際、当社がこれに応じ、過去の実績から「現行の Mac mini を複数台組み合わせることで大規模のネットブート環境構築が可能」という資料を提出しました。これを受けた神戸大学様は「ネットブート環境は維持可能」と判断、入札による事業者選定を経て当社が『KAISER』プロジェクトの一員となったのです。

『KAISER』では、遠隔地を含む7キャンパスに iMacによる教育用端末計1309 台を配置。神戸大学様の情報基盤センター内でネットブート用のマスターイメージを作り、53 台のブートサーバーに Apple Remote Desktop でブートイメージを転送する運用体制を取っています。1 台のサーバーにはおおむね 25 台の iMac が接続され、教育用端末として利用できる仕組みとなっています。教育用端末刷新に当たり導入アプリケーションも精査しました。熊本氏は「各部局に要望調査を行い、これをベースに検討を重ねました。必ずしも全端末になくてよいアプリケーションもあり、一部にだけ必要な有償のアプリケーション等については利用可能な端末を IP アドレス単位で切り分けるなどの作業も行いました」と明かします。

現在、マスターイメージの更新頻度は半年に1回が標準。おおよそ2年に1回 OS のメジャーアップデートを行います。もちろん重大な脆弱性が発見された時は例外措置も取りますが、MacOSに頻繁なアップデートがないことはメンテナンスの利便性を高めることにもつながっているようです。

▲教育用端末(iMac)がズラリと並ぶ教室。どの端末からログインしても、学生ごとの利用環境を再現することが可能です。

▲ラーニングコモンズ(共用スペース)にも教育用端末を設置。明るく華やかな空間にiMacのデザインがマッチしています。

教務システムとの連携でLMSの使い勝手も向上

熊本氏・殷氏が携わったもう一つの大きなプロジェクトに『KAISER』上で稼働する学修支援システム『神戸大学 LMS BEEF』(以下 BEEF)があります。殷氏によると「オープンソースの『moodle』をベースに構築し、昨年9月以降、約 1,000 のコース(授業)で利用されています。最高で1日あたり 6,000 ユーザーがログインした記録もあります」。授業のペーパーレス化やアクティブラーニング支援などに役立っています。

『BEEF』の特徴の一つが教務システムとの連携。教務システムには学生の履修状況や担当教員の情報などが収められており、1 日 1 回、自動的に『BEEF』との同期を行うよう設定されています。当社が構築担当させていただいた、オープンソース認証技術『Shibboleth(シボレス)』によるシングルサインオンの仕組みも教育用端末や『BEEF』の使い勝手向上に貢献しています。なお『BEEF』は1年に1回アップデートを行い、年度ごとに新しい環境を提供しています。

「今後を見据えた最新技術」「より多数のユーザーの利便性向上」などの設計思想が盛り込まれた『KAISER』。熊本氏は「以前のシステムでは大規模のネットブート構築事例も少なく、イメージファイルを頻繁に更新していたものでした。約 10 年間、三谷商事さんと共に運用を行ったことで双方に知見が蓄積され、更新時の勘所も見えてきました。『KAISER』の設計思想に沿って、安全・安定かつより使いやすい利用環境を提供していきたいです」と話してくださいました。

お客様よりひとこと

『BEEF』も 2 代目となり、学生・教員双方にとってより使いやすいシステムとなりました。1 年次の必修科目「情報基礎」や教員向け講習会を通じて LMS の利用率をさらに伸ばしていきたいです。

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  • 神戸大学
    情報基盤センター
    准教授 殷 成久 氏

国立大学法人 神戸大学様

  • 所在地
    兵庫県神戸市灘区六甲台町 1-1
  • TEL
    078-881-1212
  • URL
    http://www.kobe-u.ac.jp/
  • 設立
    1902 年(設立:1949 年)
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担当営業マンよりひとこと

弊社ではiMacやLMSの他にメールやプリンタ管理などの構築を担当しており、いずれも利用者にもっとも密接に関わる部分です。安定してシステムをご利用いただけるよう、今後はサポートにより一層全力を注いでまいります。

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  • 営業担当
    情報システム事業本部
    文教営業部 関西文教課
    山本 雅博

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