2021年の年末調整を確認!令和3年度の税制改正と年末調整のクラウド化について

2021年の年末調整を確認!令和3年度の税制改正と年末調整のクラウド化について

11月になると、経理担当者の方は少しずつ年末調整に向けて動き始めます。前年度は基礎控除や給与所得控除などの変更により申告書の様式が大きく変わりましたが、今年度の年末調整はどのようなポイントに気を付ければいいのでしょうか。今回は令和3年度の税制改正についてチェックし、年末調整業務のクラウド化についてご紹介していきます。

令和3年度の税制改正と年末調整業務

令和3年度の税制改正では前年度どのような変更点があるのか、年末調整業務においてどういった注意が必要か、国税庁が発行している「源泉所得税の改正のあらまし」の内容を確認していきます。

まず、押印業務の見直しが行われました。税務関係書類には押印が原則不要となり、扶養控除申告書などの年末調整関係書類から印を押す欄がなくなりました。従業員が提出する書類だけでなく、法人税申告書などにも印を押す必要はありません。

次に、「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」が一部不要となりました。これまで年末調整申告書をデータで提出する場合、この申請書が必須でした。しかし申告してから実際に運用できるまで、最大2か月後と時間がかかっていたのです。

このタイムラグが原因で、電子化を進められない企業が多数ありました。そこで改正が行われ、令和3年度からは、以下9点の申告書においては承認申請書の免除が認められます。

・給与所得の扶養控除申告書
・従たる給与についての扶養控除等申告書
・給与所得者の配偶者控除等申告書
・給与所得者の基礎控除申告書
・給与所得者の保険料控除申告書
・給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
・所得金額調整控除申告書
・退職所得の受給に関する申告書
・公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

データで回収する場合は、「電子署名またはパスワード設定し、勤務先にインターネット経由のメール等で送信する」「電子署名またはパスワード設定し、USBメモリ等に保存して勤務先に提供する」「(社内LANなどで)勤務先と作成者である従業員のみアクセスが可能な領域に年末調整申告書データを保存する」「社内LANにログインし、メール等で送信する」のいずれかの方法をとる必要があります(出典:国税庁「年末調整手続の電子化及び年調ソフト等に関するFAQ」)。

また、所得者が源泉徴収義務者等に対して提出する書類について、書面による提出に代えて、データでの提供が可能となりました。対象となるのは、「障害者等に対する少額貯蓄非課税制度等に関する書類」、「公社債等の利子等に関する書類」、「勤労者財産形成住宅(年金)貯蓄非課税制度に関する書類」、「特定寄附信託の利子所得の非課税措置に関する書類」などです。

さらに、年末調整と直接関係はありませんが、退職所得課税の見直しもされました。短期退職手当等に係る退職所得の金額の計算方法が変更されているので、これらに関連する企業の担当者の方は一度「源泉所得税の改正のあらまし」を確認してみてください。

年末調整業務をクラウド化するメリット

今回の税制改正からも分かる通り、政府での行政改革が進められる中で、税務面におけるデジタル化が進んできました。そうした動きに合わせて、民間でも年末調整などを含めた税・経理業務が、アナログなやり方から脱却しつつあります。

特に最近はコロナ禍によりリモートワークが進み、あらゆる業務のクラウド化が図られています。そんな今こそ、年末調整業務をクラウド化する絶好の機会です。クラウドサービスを使えばマニュアルなどのペーパーレスが実現しますし、前年度の書類などを参照することも簡単です。

提出された書類のチェックもオンラインでできますし、不備があれば修正依頼もクラウドサービス内で完結します。提出が遅い従業員がいても進捗状況がクラウド上で確認できるので、わざわざExcelなどを使って管理する必要もありません。申告書をデータでクラウドに置いておけるので、保管コストも削減できます。

また、クラウドサービスではマニュアルやヘルプ機能が充実していることが多く、これまで従業員から寄せられていた問い合わせが激減します。申告書の仕分けや配布業務もなくなりますし、控除額の自動計算により検算が不要になるため、担当者の負担軽減が期待できます。

クラウドサービスの導入で年末調整業務の負担を減らす

今回は、令和3年度の税制改正と、年末調整についてご紹介しました。税制が変われば、年末調整などにも影響が出ることがあります。改正の度に細かなチェックをするのは大変ですが、年末調整はそもそも、申告書を記入する従業員も、申告書をまとめる担当者も、大きな負担感があるものです。

そこで、今回の税制改正を機にクラウド化を進めてみてはいかがでしょうか。三谷商事では「クラウド化したいが、どのサービスを選べばいいかわからない」「年末調整にかぎらず、他の経理業務についても合わせてクラウド化したい」といったお悩みをお持ちの方に、適切なサービスをご提案します。会社の規模や従業員数、事業内容などによってどんなサービスが合うかはそれぞれですので、まずは一度ご相談ください。

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